- 第2編
- 終章 - 独立系信託グループとして未来をひらく
未来適合型の人事制度へ
当グループは、2023(令和5)年度にキャリア構築の主体を会社から社員へ移し、社員を価値創造の源泉となる重要な資本の一つ(人的資本)、そして当グループが直接的なインパクトを提供するステークホルダーと位置づけた。
当グループが組織としての総合力を向上させ、「社会的価値創出と経済的価値創出」を実行していくには、高い専門性を有する「自律的なキャリア型」の多様な人材が相互に影響しあい、イノベーションを起こしていくことが望まれる。そこで、三井住友信託銀行では、「自律的なキャリア型人材」が自律的に育つ環境を創出するため、人事制度を「未来適合型」の制度とすることとし、従業員組合との協議に並行してWebキャラバンを実施し、広く全国の社員から意見を聴取。①自律的なキャリア、働き方の選択をサポートできる制度・運営、②担う役割に応じた市場競争力のある処遇への変更を柱として、2024年度には、①「キャリア」「隔地間転勤(コース制度)」「役割に応じた処遇」などの制度の見直し、②役割に応じた必要スキルや処遇等の可視化、③働き方の選択促進など運営の見直しに着手。加えて、自律的なキャリア形成の一助として、キャリアコンサルティングを通じたサポート体制の構築などのインフラ整備を進めた。
あわせて2024年7月には社員の心身の健康への投資を加速すべく「働き方改革宣言」を見直し、社員一人ひとりの健康な働き方が社会への価値創出につながり、それが社員のやりがいとなって還元される好循環を目指して「健康経営宣言」を制定した。同宣言の趣旨は、①健康投資施策の取り組みを通じた健康増進の支援、②多様な働き方とワークライフバランスの実現、③社員がやりがいをもって活躍し成長できる機会の提供である。2025年度にはWell-beingを基軸とした「多様な社員が多様な役割で活躍できる人事制度」をスタートさせ、社員一人ひとりの自律的な力によって持続的に成長していく組織の形を目指していく。

人的資本戦略とWell-beingの向上