- 第1編
- 第1章 - 信託制度の確立と発展 1922~1974
Column
信託草創期の三井信託外国部
三井信託は、1924(大正13)年4月の創業と同時に「外国部」を設置。わずか2カ月後の6月に早くも外国債券を受託した。これは、王子製紙がロンドンのM・サミュエル商会に対して発行した50万ポンドの債務を三井銀行と共同で保証したものだった。そして、翌1925年のニューヨークの大銀行バンカース・トラスト・カンパニーとの当座取引を皮切りに、次々にイギリス、フランス、オランダの有力銀行とも取引を開始。さらに、債券を低利の外国銀行へ担保に供して外貨を円に換え、国内で運用する方法を創始し、信託会社として自社への外貨借り入れの先鞭をつけた。
創業者の米山梅吉が英米通で、初代の外国部長も米山と同じ三井銀行出身、証券・外国為替のエキスパートだったことがこの華々しい成果の背景にあると考えられるが、草創期の信託会社で海外取引に積極的だったのは三井信託だけだったという。なお、三井信託は草創期に宣伝にも力を入れ、工夫を凝らしたパンフレットを数多く発行しているが、海外向けの会社案内も制作している。

三井信託の海外向け会社案内