- 第1編
- 第3章 - 金融激動と業界再編 1991~2010
金融機関の破綻と金融危機
前述したように、中小金融機関の経営破綻や住専問題については、政府と民間金融機関の合意により解決へ向けた枠組みが一応つくられたが、不良債権問題はこれで終わったわけではなく、1997(平成9)年11月にはついに大手金融機関の破綻が相次いで発生し、日本の金融システムを揺るがす金融危機が現実のものとなった。主な動きは次のとおりである。
1997年4月
日産生命保険に業務停止命令
1997年11月
三洋証券が破綻
1997年11月
北海道拓殖銀行 *1 と山一證券が相次いで破綻
1998年2月
金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律(金融機能安定化法)成立、政府は30兆円の公的資金枠を用意
1998年3月
1.8兆円の公的資金注入を大手21行に対して実施
1998年6月
政府・与党が金融再生トータルプランを取りまとめ(~7月)
1999年3月
7.5兆円の公的資金注入(2回目)を15行に対して実施
1999年4月
金融監督庁が「金融検査マニュアル」を公表(7月から適用)
1997年4月 日産生命保険に業務停止命令
1997年11月 三洋証券が破綻
1997年11月 北海道拓殖銀行 *1 と山一證券が相次いで破綻
1998年2月 金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律(金融機能安定化法)成立、政府は30兆円の公的資金枠を用意
1998年3月 1.8兆円の公的資金注入を大手21行に対して実施
1998年6月 政府・与党が金融再生トータルプランを取りまとめ(~7月)
1999年3月 7.5兆円の公的資金注入(2回目)を15行に対して実施
1999年4月 金融監督庁が「金融検査マニュアル」を公表(7月から適用)
このような金融危機の一方、経済のグローバル化、日本版ビッグバンの進展、不良債権処理等を背景に、競争がますます激化するとともに体力は低下し、日本の金融機関はかつてない大きな再編に向けて模索を始めていた。