- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
6 マーケット事業
リスクコンサルティングの取り組み
お客さまの金利・為替などに関する運用ニーズ・リスクマネジメントニーズに対し、市場性金融商品の製造・販売を通してソリューションを提供するのがマーケット事業で、目指す姿は、「社内外のあらゆる顧客のマーケットボラティリティ(市場変動)をマネージする専門家集団としてThe Trust Bankの実現に貢献すること」である。マーケット事業の機能は「対市場機能」「対顧客機能」および「事務管理機能(管理・決済)」に大別される。「対市場機能」は、財務マネージ業務(財務リスクコントロール)と投資業務(自己勘定投資による収益獲得) *1 から構成され、経営統合以前から投資業務を中核とし、「投資対象資産」「投資期間」「投資技術」の3要素 *2 を適切に組み合わせることでリスク分散を図る「三次元分散投資」により、収益の拡大と収益ボラティリティの縮小に注力している。個人・法人を対象とする「対顧客機能」には、マーケットメイク業務(市場性取引の仲介および市場性金融商品の製造)とマーケティング業務(市場性金融商品の販売) *3 がある。事務管理機能については、市場性取引の管理・決済を行っており、複雑かつ大量の管理・決済を正確に処理するクオリティの高い事務サービスを提供している。
2012(平成24)年度は、低ボラティリティ、低金利が続くなか統合前から好調を維持していた特約付預金において商品ラインアップの充実を図って金利環境の変化に備えるとともに、引き続き顧客基盤の拡大に注力。また、仕組債評価システム「りすなび」の活用によるリスクコンサルティングを核とした提案型営業スタイルの確立を重点テーマとし、りすなび活用の担い手をフロントにシフト。コンサル活動を量的に拡大しつつ、全店部へのノウハウ共有を図った。
全社的な観点から、安定的に収益を確保するため、市場リスクをコントロールする業務が財務マネージであり、市場環境の分析や当グループが抱える市場リスクの計測、リスクコントロールのために必要なヘッジオペレーション(リスク回避・低減を図るための取引)の計画や執行などを行う。自己勘定で、債券や株式・クレジット・不動産・商品などの多様な資産に対して投資を行うのが、投資業務である。
金利、株価、為替、マクロ/ミクロ需給を対象とし、短期・中期・長期のスパンでロボットやアウトソースも活用して投資を行う。
為替・金利などのさまざまな市場性取引の値決めをするのが、マーケットメイク業務であり、金融技術を駆使して、高品質・低価格の市場性金融商品の製造に努める。「顧客営業ディビジョン(リテール、ホールセール、証券代行、不動産)」との緊密な連携を生かして、お客さまのニーズに合った市場性金融商品や金融コンサルティングサービスを、適切な価格でタイムリーに提供している。