- 第2編
- 第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023
ビジネスモデル変革の加速
2021(令和3)年度には、新体制のもと、目指す姿として掲げた「企業価値の向上による果実を家計にもたらす資金・資産・資本の好循環の構築」の実現に向け、「顧客軸」で分断された事業別のビジネスモデルにとどまっていた「信託銀行型金融仲介モデル」を高度化。絶対的な強みである投資家ニーズを起点とし、当グループが結節点となって各事業を「機能軸」で融合させ、相乗効果を発揮してバリューチェーンを創造する新たなビジネスモデル構築を目指した。
また、社会構造変化の加速やデジタル技術によって市場に変革をもたらすディスラプター *1 の参入など競争環境の激化を踏まえ、持続可能なビジネスモデル変革を加速。「脱・タテ割り思考」「脱・店舗中心主義」「脱・政策保有株式」を3つの構造改革(「3脱」)と位置づけ、投資家視点および真のコンサルティングや商品力に着目、自己勘定や店舗など自前の資源の制約にとらわれないドメイン拡大を志向し、新成長領域への積極投資を推進した。

3つの構造改革(3脱)
個人分野では、店舗の有無にかかわらず新たな接点の拡大を可能とする「オンライン支店」開設、「ユニット制」(地域グループ)へのシフトを推進し、スマホアプリの開発に着手。法人分野では、投資家と発行体(法人アセットマネジメント)のギャップを事業間連携によって埋め、当グループと投資家のバランスシートを合算することにより、資産・資金の好循環にポジティブなインパクトを与え、「自らや自らの取引先の課題解決につながる」存在を目指した。