- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
2 中期経営計画「挑戦と創造」(2014~2016年度)の策定
前中期経営計画の成果と計画の見直し
前中期経営計画においては、戦略的事業領域の成長実現は概ね達成したものの、利益水準は2015(平成27)年度目標の7割程度の水準にとどまった。2011年11月の経営健全化計画策定の後、マクロ環境等が大幅に変化したためだった。また、メガバンクの信託事業への本格参入・展開を機に、真の「信託完全自由化時代」が到来。圧倒的規模を持つメガグループとの機能相似化・施策近似化が一段と進展し、大手証券・地銀・新規参入者(信託会社等)を含め、全方位での競合を余儀なくされる「新競争環境」が厳しさを増していた。
銀行を統合して2年が経過し、事業モデルの変革・収益構造の転換や、各事業戦略の浸透・成果発現は進展しつつあったが、コモディティ化 *1 した分野での収益性の低下、高止まりする経費水準、高齢化する戦力構成等の構造的課題を前に、いまだ「The Trust Bank」の実現には至っていなかった。「新銀行」の言葉に残る統合モード意識に決別し、旧行でも新銀行でもない「三井住友信託銀行」としての競争力強化を通じた独自の事業モデル確立と本格的な成長軌道の確立が待ったなしの状況となったのである。
そこで、2014年度からの3年間を、当社の将来を左右するきわめて重要な期間と位置づけ、「目指す姿(ビジョン)」の実現に向け、新たな収益基盤の確立を含めた持続的成長戦略とその実現施策を改めて中期経営計画として策定し、全社を挙げた取り組みを行った。

前中期経営計画の成果

中期経営計画(2014~2016年度)のグループ定量目標