- 第2編
- 第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023
6 法人アセットマネジメント事業/受託事業
事業ポリシーの明文化
法人アセットマネジメント事業は、2017(平成29)年度に独立事業化したのち、プライベートアセット運用の大規模受託や私募投信、合同金銭信託残高の積み上げなどによって計画を上回るストック収益の成長を実現。プロダクトラインアップについてはプライベートエクイティを中心とし、航空機リースなどのクレジット領域、再エネルギーバリューチェーンを軸とするリアルアセット領域に拡充した。
2020(令和2)年度には、当事業の事業ポリシーを次のように明文化し、プロダクト軸と顧客軸の2つを軸として事業を推進した。
- 「想像」「挑戦」「創造」を合言葉に、「本邦初」と「汎用化」を通じた「顧客本位・顧客起点」の新たな事業開発が事業の使命。「事業横断・融合」の取り組みとともに「グローバル・外部パートナー」のネットワークも活用し、自社のバランスシートや店舗網等の規模を制約とせず、投資家や協働パートナーの規模を生かした「ビジネスレバレッジ」を追求することで、当グループの持続的成長の牽引を目指す。
事業戦略としては、既存ビジネスの強化を継続する一方、「新領域」へのチャレンジとして「社会的インパクトの創造」と「グローバル戦略事業開発」を注力分野とした。
既存ビジネスのうち金融法人軸では、プライベートアセットAUM(資産運用残高)の積み上げをはじめとする運用拡張、資産管理ビジネスの拡大とともに、不動産等の財産管理業務を事業横断で推進した。またこのうち地銀では、不動産や相続関連ビジネス、人生100年対応などにおいて大きなインパクトを生む協業の実現を追求し、各エリアにおけるベストパートナー化を目指した。新領域の社会的インパクトの創造では、信州大学との協働プログラムによるスタートアップ・エコシステム創造の具体化(Topic 「『森林信託』の受託」参照)、社会的インパクト投資関連プロダクトの研究開発などを推進した。
2021年4月には、顧客軸で分断された事業別のモデルから、投資家ニーズを起点とした新たな金融仲介モデル構築を通じて、各事業を機能軸で融合させることでバリューチェーンを創造する「信託型金融仲介モデル」の概念を定義し、当グループの絶対的な強みである「投資家基盤」に「与信ビジネスにおけるリアルアセット・ESG/SDGs領域でのプライマリー市場アクセスノウハウ」を組み合わせて相乗効果を発揮し、課題を相互補完しうる体制を構築。これにより当グループが投資家と事業者の結節点となり、三者で社会課題の解決を担う形ができあがった。