- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
5 受託事業
事業モデルの変革
当グループは、独立系信託銀行グループとして、信託の本質である資産運用・資産管理業務を中心に高付加価値サービスを追求した。また、年金基金などの機関投資家に対する事業モデルをさらに変革・高度化し、その他の成長領域などに拡張することで、事業成長の加速を目指した。

変革のキーワードと事業として目指すべき姿
年金業務では、厚生年金基金の廃止に伴う残高・収益の減少を反転させるため、「シェア・収益性・成長性」にこだわる確定給付企業年金(DB)・企業型確定拠出年金(DC)・職域一体型のビジネスモデルを展開し、年金ビジネスを増加トレンドへ転換した。
資産管理業務では、アジア最大の資産管理サービス機関の構築に向け、国内資産管理会社の統合を段階的に進めた(第1章第4節4「グループ会社の動向」〔3〕参照)。海外資産管理については、2016(平成28)年度、大和証券グループから2012年度に取得したSumitomo Mitsui Trust (UK) Limitedをロンドン支店に統合し、同社がアウトソーシングしていたカストディ業務を集約することを決議。英国当局との折衝に2年余りを要したが、2020(令和2)年にようやく統合を果たし、3月、譲受された事業を担う組織としてロンドン支店にロンドングローバルアセット部を新設した。
資産運用分野では、グループ内に有する多様な運用会社の特長を生かした「マルチブティック運用会社グループ化」を志向し、金融グループ内における利益相反管理体制の整備の一環として、2017年8月、受託事業の内部に運用事業を置き、運用業務の独立性を勘案した新たな体制整備を進めた。また、グループレベルで運用ビジネス統轄機能を高度化するため、持株会社に運用企画部を設置し、2019年7月に日興アセットマネジメントを持株会社直下の子会社とした。