- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
- 第5節
- 「個」の見える人材集団へ
1 人事戦略
新人事制度の導入
経営理念(ミッション)にあるように、当グループの人事戦略における基本方針は、「社員一人ひとりが、夢と誇りとやりがいを持って、業務に邁進できる風土を構築する」こと。そして、「『The Trust Bank』の実現、経営課題の解決、事業戦略の遂行に向け、人材配置・育成を通じて貢献する」ことであった。2012(平成24)年度、新銀行では、経営戦略遂行のスタートダッシュへの寄与を目指すとともに、中長期的課題の解決に向けた取り組みを推進。戦力の最適配置を実践しつつ、多様性を尊重し、主体的な取り組みを推進することを目的に、新人事制度を導入した。
新人事制度では、自らが目指すキャリアパスを主体的に選択できるコース体系として、対象業務を限定しないコースを転居を伴う転勤のあるGコース(General & Global)と転居を伴う転勤のないAコース(Area)の2コースとし、あわせてリテール業務を対象に業務・勤務地域を限定したRコース(Retail & Region)を設定。また、従業員の切磋琢磨と自律的成長を促すため、全従業員共通の枠組みとして、個々人の顕在化された能力(職務遂行能力+専門能力)を総合的に評価し、決定する「職群能力グレード」と、各人が担う職務上の役割の大きさを評価し決定する「役割グループ」を全コース社員に付与し、処遇に反映した。なお、同年度には新銀行発足後初めて実施した業務公募に200を超える応募があり、2割弱が合格し、希望の業務に異動した。
2014年度には、バブル期、経済低迷期における大量採用、少数採用の戦力数ギャップを背景に、マネジメントおよび主要業務の担い手として女性、少数採用世代の登用促進を図るとともに、財務コンサルタントなど高度な専門性を有し、付加価値の発揮が期待される高年層社員を「フェロー」と認定し、処遇の見直しを実施した。
また、2015年度からは、会社認定型のコース転換を実施することとし(初回は2015年10月)、あわせて、地方の店舗に勤務するAコース社員について、マネジメントの担い手を育成する観点から、主に首都圏・近畿圏への社内留学制度(中長期出張対応)を導入。他店での業務経験を通じて能力の伸長、役割の拡大を図り、異動範囲を在来線の通勤圏内から特急通勤等を前提とする近隣店舗に拡大した。