- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
新グループの課題と成長戦略
中期経営計画においては、持続的な成長軌道に乗るために達成すべき課題として、次の4点を掲げた。
- グループ収益極大化に向けた戦略的資源配分
- 既存業務の徹底強化とグループ独自の事業モデル構築
- 財務基盤の強化及びリスク管理・コンプライアンス態勢の高度化
- 連結収益の拡大
収益については、投信・保険等販売、個人ローン、海外貸出などへの最優先配分を継続するとともに、新たな成長の糧の発掘にも積極的に取り組んだ。また、コスト面では本部・店舗統廃合やシステム集約・統合によるシナジー実現はもとより、効率化を継続的に実行し、業務運営における無駄の排除を進めた。
既存業務の徹底強化については、まず業界トップとしての観点から、銀行本体のみならず、グループ関係会社も含めてあらゆる商機・商材を改めて洗い出し、既存ビジネスラインの深掘りを徹底。「リテール化」「グローバル化」、「トータルソリューション力の強化」への対応を図るべく、顧客の声や現場からの提言を踏まえ、商品・サービス、営業モデル・体制、業務プロセスの切り口から、「突出した事業モデル」の確立を目指した。
財務についてはメガバンク対比でも十分な資本水準を確保し、委託者の信任に十分応え得る堅固な財務基盤・財務健全性を確立するため、政策投資等の計画的な削減、オフバランスビジネス強化等による資本の効率的活用、バーゼルⅢへの的確な対応等を推進。インサイダー取引規制違反の再発防止を含め(第4項「金融商品取引法違反再発防止の取り組み」参照)、リスク管理・コンプライアンス態勢の確立に努めた。
また、連結ベースでの収益目標において、グループ関係会社の重要性が一層増大したことから、各社それぞれが「三井住友トラスト」ブランドの価値向上に寄与するため、事業戦略・業務プロセスを再構築。提供サービスの価値を向上させ、収益積み上げ・コスト削減の両面で採算向上を実現し、連結収益の極大化を推進した。