- 第1編
- 第1章 - 信託制度の確立と発展 1922~1974
Column
テレビと信託の大衆化
1953(昭和28)年にテレビ放送が開始されると、1959年の皇太子明仁親王と正田美智子さんのご成婚(現在の上皇・上皇后両陛下)や1964年の東京オリンピックを機にテレビ受像機が急速に家庭に普及。世帯普及率は1964年に白黒テレビで90%、1975年にはカラーテレビで90%に達した(「通信白書」)。
「貸付信託」の取り扱いが始まったのはテレビ放送開始前年の1952年で、テレビの普及と同様、急拡大したものの、一般家庭での「信託」の認知度は高いとはいえなかった。そこで、信託各社は1956年、強い宣伝力を持つテレビの力によって信託の宣伝を行う「信託テレビ」を開始。1962年より、毎年4月から9月までプロ野球を「信託ナイター」として放送するとともに「信託劇場」としてドラマを提供したところ、1966年後半期の信託劇場「おもろい夫婦」(渥美清主演)が大ヒット。翌1967年から1976年までは信託劇場に絞り、「渥美清のくいしんぼ」などのホームドラマを提供し、高視聴率を獲得した。
信託ドラマのCMでは、コマーシャルソングとして「貸付信託のうた(明るい家庭に 貸付信託/豊かな暮らしに 貸付信託/安全有利な 貸付信託/みんなそろって 貸付信託/貸付信託 貸付信託)」(作詞:信託協会、作曲:古関裕而)なども制作。業界を挙げて貸付信託および信託の大衆化を図った。