三井住友トラストグループ

第1章

信託制度の確立と発展
1922~1974

第3章

金融激動と業界再編
1991~2010

第1編
第2章 - 国際化・自由化と社会の多様化 1975~1990

マーケット資金事業の発展

金融自由化が進展し、市場での資金調達・運用が拡大するにつれて、調達と運用のミスマッチ等に起因する金利リスクが顕在化し、そのリスク管理が重要になった。こうした業務環境の変化を受けて、住友信託銀行は1987(昭和62)年7月、預金や貸出資金を対象とした金利リスク管理ツール「ギャップアナライザー」(金利リスクマネジメントのソフト)を開発。このツールは、先物金利(インプライドフォワードレート)を使って将来キャッシュフローを予測するという画期的なアイデアを活用し、資金ポジションと債券ポジションの金利リスクの総合的管理を可能としたもので、リスク管理のベースとなる先駆的な手法であった。

またデリバティブ業務では、1985年に円金利スワップマーケットメイク業務を開始し、三菱銀行、日本長期信用銀行、東京銀行とともに住友信託銀行が世界で初めて円金利スワップ市場を創設した。

1989(平成元)年6月には金融先物取引、証券先物取次業務、90年5月には証券先物オプション取引の取次業務が開始され、信託各社もデリバティブ業務に積極的に参入した。三井信託銀行は1989年に金融先物総合管理システムおよびディーリングサポートシステムを稼働させ、損益・リスク管理の面では外貨ALM体制構築を推進し、業種ごとの貸出上限設定、同業種の地域分散などによりポートフォリオ分散とリスク分散を図った。また中央信託銀行では1988年に各拠点、ディーリング種目ごとに損失累計限度額を新設し、1990年に市場性取引関連の情報系システムの開発に着手している。

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