- 第1編
- 第3章 - 金融激動と業界再編 1991~2010
経営統合の合意
2009(平成21)年11月6日、中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行は、専門性と総合力を併せ持つ信託銀行グループ「The Trust Bank」の創設に向けて経営統合することで基本合意した。これは「銀行事業、資産運用・管理事業、不動産事業を融合した本邦最大かつ最高のステイタスを誇る信託銀行グループ」を目指すものであった。両社の協議を経て2010年8月24日、株式交換契約および経営統合契約が締結された(最終合意)。
顧客の抱える金融・資産に関する課題は、ますます高度化、複雑化し、総合的な解決策を提案できる信託銀行の専門性の高いサービスヘのニーズが一段と高まっていた。そのなかで、この経営統合は、こうしたニーズに応えて、より広範に多様なサービスをスピーディに提供していくために、志を一にする相手と手を組み、商業銀行やメガバンクグループ傘下の信託銀行とは異なる、これぞ信託銀行という「The Trust Bank」を、両グループの人材とノウハウ等を結集し、一気に創り上げようとするものであった。