三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019

商品の拡充~世代循環、承継への備え

〔1〕家族おもいやり信託(積立投資・一括交付型)

2017(平成29)年5月、家族おもいやり信託(積立投資・一括交付型)の取り扱いを開始。2013年より、自身の相続に備えるとともに家族を「想うこころ」をサポートする信託商品として同シリーズを取り扱ってきたが、新商品では、これまで実現できていなかった「運用ニーズ」に応える機能を追加し、家族に遺す資金を金銭信託に預かり、投資信託への5年間(毎月1回)の積立により時間分散を図ってリスクを抑えた。

〔2〕任意後見制度支援信託

2017(平成29)年8月、業界で初めて「任意後見制度支援信託」の取り扱いを開始。この商品は、任意後見制度をサポートするため、同制度を利用するお客さまの財産を信託で管理し、契約発効後は、預け入れた金銭信託からの払い戻しには任意後見監督人 *1 の同意が必要となるため、安全・確実に財産の保護を図ることができるものであり、また日々の生活に必要な資金などを定期的に受け取れるため、任意後見人が担う負担も軽減された。

任意後見人を監督するために家庭裁判所から選任された人

「任意後見制度支援信託」パンフレット

「任意後見制度支援信託」パンフレット

〔3〕「スマートゆいごん」

2018(平成30)年11月、誰もが遺言を作成する時代の到来に先駆け、「スマートゆいごん」の取り扱いを開始。2015年1月の相続税法改正による課税対象の拡大や超高齢社会における老老相続の増加、生涯未婚率・離別率の上昇、遺産分割に関するトラブルの増加基調など、相続対策を必要とされる人の裾野が大きく広がっている。「スマートゆいごん」は、このような相続対策ニーズの高まりを踏まえ、対象財産と遺言内容を限定 *2 したことで、比較的容易に遺言を作成できる新商品とした。さまざまな資産を対象に高度な相続対策に対応するオーダーメイド型の「遺言信託」と、シンプルな相続対策に対応する「スマートゆいごん」により、多くのお客さまの大切な想いを預かり、人生100年時代における円滑な資産承継の実現に寄与している。

対象財産は不動産、金融資産のみとし、遺言内容はそれぞれ名義変更と換価に限定。また、遺留分の侵害がないことや遺言執行者が法定相続人であること等が前提となる。

「スマートゆいごん」チラシ

「スマートゆいごん」チラシ

「スマートゆいごん」チラシ

「スマートゆいごん」チラシ

〔4〕WEB遺言信託サービス

お客さまに新たな付加価値を提供できる信託ビジネスのプラットフォームの一つとして、2019(令和元)年10月より、「WEB遺言信託サービス」の提供を開始した。円滑な資産移転は社会課題となっているが、民法の遺言の要件緩和の効果もあり、「誰もが遺言を作成する時代」が近づきつつある。「WEB遺言信託サービス」は、お客さまが、時間や場所を選ばず、簡単・便利に遺言信託などの相談を始められる商品とした。

〔5〕おひとりさま信託

2019(令和元)年12月、身寄りのない人、家族と離れて暮らす人など、“おひとりさま”向けに、万が一のときに気になる身の回りのこと、死後事務(葬儀、埋葬、デジタル遺品の消去、家財などの整理、訃報連絡、ペットの託し先への搬送など)をトータルでサポートする「おひとりさま信託」の取り扱いを開始。未婚率の上昇や配偶者との死別、子どもの遠居など、2040年には全世帯に占める単身世帯の割合が約40%に上るとの推計 *3 もあり、相続発生時に身の回りのことを親族に頼れない人の増加が予想された。この商品は、一般社団法人安心サポート *4 と連携し、三井住友信託銀行の信託機能と死後の身の回りのことに対する実務を融合させることで、万が一の事態になったときの不安の解消に貢献し、生活の質の向上をサポートするものである。なお、この商品は、2018年度に始まった社内ビジネスプランコンテスト「未来フェス」の入賞案件で、初の事業化となった。

〈おひとりさま信託の特長〉

  1. わかりやすい「未来の縁-ing(エンディング)ノート」
    契約時に身の回りのことに対する希望を記載してもらったエンディングノートを預かる。
  2. かんたんSMS安否確認
    契約期間中、SMSでお客様の安否確認を行う(2020年4月より)。
  3. 遺言代用機能で死後事務の費用や寄付の資金を管理
    相続発生時に、死後事務の費用の支払いや寄付(遺贈)ができる。
  4. 一般社団法人安心サポートの紹介
    死後の身の回りのことを委任できる一般社団法人安心サポートを紹介する。

国立社会保障・人口問題研究所「2018(平成30)年推計 日本の世帯数の将来推計(全国推計)」より

当社および三井住友信託銀行により、高齢者に関連する福祉の増進に寄与することを目的として設立

〔6〕LGBTQ向け住宅ローン

LGBTQ *5 に対する社会的関心の高まりを踏まえ、性的指向・性自認等を理由とした差別や人権侵害を行わず、多様性を認め、共生できる社会環境の構築に向けて、2018(平成30)年1月には住宅ローンの改定を実施。ペアローンや収入合算、担保提供における配偶者の定義に同性パートナーを含める対応を開始した。

Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender、Queer/Questioning(性自認の定まらない人)の頭文字によるセクシュルマイノリィの総称

〔7〕住宅ローン「子育てサポートサービス」

2018(平成30)年8月、住宅ローンにおける「子育てサポートサービス」の取り扱いを開始。少子化対策、子ども・子育て支援は、社会保障の持続可能性、社会保障制度改革の基本となるもので、これまでも国や自治体では妊娠期から子育て期にかけての支援を行っており、子育て世帯の資産形成等を積極的に応援していくこととした。同サービスは、住宅ローン〈リレープランフレックス〉を契約したお客さまを対象とし、出産した子ども名義のジュニアNISA口座開設を申し込んでもらい、①出産後1年間住宅ローンの金利を年0.1%優遇、②子育てをサポートするクーポン等の贈呈を行う。契約者が女性の場合に限らず、契約者が男性でその配偶者が出産した場合でも出産時金利優遇サービス等を利用できる。

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