三井住友トラストグループ

第1章

信託制度の確立と発展
1922~1974

第3章

金融激動と業界再編
1991~2010

第1編
第1章 - 信託制度の確立と発展 1922~1974

貸付信託の運用

貸付信託は、「貸付信託法」の定めにより、初めは運用方法が貸付および手形割引に限定され、貸出対象は「資源の開発、その他緊要な産業」に限定されていた。また法的な規制ではなく、立法趣旨に基づく当事者間の当然の了解のもと、運用は長期であることを前提とし、貸付信託による貸付金は、5年ものを主たる資金源としたことに照応して、貸付期間を5年とすることが一般化した。

ここで、貸付信託の運用に関して2つのことに触れておこう。一つは電力協調融資体制の確立であり、もう一つは貸付信託資金調整委員会である。前者は1958(昭和33)年7月、初めて信託銀行だけで結成した大規模なシンジケート団として特筆される。シンジケート団の結成は、電力業の巨額な資金需要に対処し、資金を計画的に配分・確保することが目的だったが、信託サイドから見た利点として、第一に信託銀行の発言力を団結によって強化し、電力業という長期資金需要先を将来にわたって確保できること、第二に信託各社間の無用の競争を排除し、適正な取引条件を確保できることがあった。

貸付信託資金調整委員会は、1960年6月に発足した。すでに全国銀行協会では、銀行資金の効率的運用に関する自主的調整機構とその運営を強化刷新するために、1957年11月、融資自主規制委員会と投融資委員会を発展的に解消し、新たに資金調整委員会を設置していた。貸付信託資金調整委員会は、その貸付信託版といえるもので、貸付信託資金量がもはや金融界で無視できない比重を占め、金融政策上協力を要請されるため、独立の機構を設ける必要が生じて設置されたのだった。

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