- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
航空機リースファンドの共同設立
航空機ファイナンスとは、航空会社の信用力と航空機の価値およびストラクチャーを的確にマネージしつつ、航空機の取得資金を提供するファイナンス手法で、当グループでは2012(平成24)年に専門チームを立ち上げ、世界の航空会社・航空機リース会社などと取引を行ってきた。旺盛な航空機需要を背景として、海外機関投資家を中心に投資需要が高まりつつあるなか、2016年6月、三井住友信託銀行は独立系航空機リース会社であるアラブ首長国連邦のノヴァス・アヴィエーション・キャピタル(Novus Aviation Capital)とともに、Ortus Aircraft Leasing Fundを共同で設立した。国内投資家を対象とした初めての航空機リースファンドである。
当時の航空機ファイナンス市場は年間1,270億ドルもの巨大市場であり、今後20年で運航機数も2万機程度から4万機超まで増加すると見込まれた。航空会社の機材調達はリース形態での導入が拡大傾向にあり、2020(令和2)年までには世界の航空機ファイナンス市場全体の50%を占めるようになると予測された。このような市場環境を踏まえ、成長産業における投資機会を国内投資家に提供すべく、目標ファンドサイズを2億米ドルとしたファンド成立に至った。