- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
人生100年応援部の新設と人生100年応援信託
医療技術の進歩などによって日本人の平均寿命はさらに延び、多くの人が100歳以上の長い人生を生きることになるといわれているが、UCバークレー校のコーホート研究では、2000(平成12)年生まれの日本人の平均寿命は104歳になるとされ、すでに日本は「人生100年時代」を迎えたといえる。しかし、現在の社会や企業の各種制度は「人生100年」を前提としていないため、長寿化の進展により、これまでになかったさまざまな不安を抱えることが予想された。そこで2019年4月、「人生100年時代」の到来により生じるさまざまな課題に対し、適切なソリューションを提供するため、「人生100年応援部」を新たに設置。長寿化による人生の時間軸の変化により生じるお客さまのニーズの多様化、複雑化、高度化を捉え、お客さまへ安心や安全、楽しみを提供すべく、長年培った信託銀行グループならではのノウハウを生かしてソリューションメニューを開発、順次、提供していくこととした。
2019(令和元)年6月には、認知・判断能力の低下への備え、特殊詐欺などへの対策、次世代への承継準備、そして豊かな時間を過ごしてもらうためのメニューを用意した新商品「人生100年応援信託(100年パスポート)」の取り扱いを開始。資金を「まもる」「つかう」「つなぐ」ための機能をワンパッケージとし、人生の充実や不安の解消に向けた多様な提携サービスを取り揃え、いつ起こるかわからない高齢期の生活環境の変化に備えた。
当グループは、「100年パスポート」を人生100年時代のフラッグシップ商品として位置づけ、お客さま一人ひとりの事情に合わせた細やかな提案を行っていくとともに、財産管理の分野でのプラットフォーム商品としても展開、他業種との協力も含めてさらなる商品の魅力向上に取り組んだ。
〈ワンパッケージの4つの機能〉
- 防犯あんしん機能:特殊詐欺などに備え
- ねんきん受取機能:生活費相当額などを定期的に受け取り
- まかせる支払機能:認知症や健康不安に備え、支払い手続きを任せる人を指定
- おもいやり承継機能:相続発生時に500万円までをスムーズに支払い
〈日々の暮らしの充実や不安解消に向けた多様なサービス〉
- 100年パスポート クラブオフ:旅行やグルメ、健康維持、新たな学びへのチャレンジなど(株式会社リロクラブがサービス事業者などを紹介・取り次ぎ)
- ダイナースクラブ:一部サービスをダイナースクラブへ入会せずに利用可能
- ホームロイヤー(東京都近郊在住のお客さまのみ)
- 100年パスポート補償:三井住友信託銀行が保険料を負担。個人賠償責任危険補償、傷害入院保険金(三井住友海上火災保険)

「人生100年応援信託(100年パスポート)」パンフレット
2019年10月には、ソニーと提携し、「人生100年応援信託〈100年パスポート〉」の契約者向け特典として、自律型エンタテインメントロボット“aibo(アイボ)”の「aiboプレミアムプラン」初年度プラン利用料が無料となる優待サービスの提供を開始。aiboと大手銀行の商品・サービスとの提携は初めての取り組みとなった。aiboは、お客さまや周囲の環境との関係によって日々成長し、さまざまなことを理解する、個性を持ったロボット。高齢者の日常を楽しみや癒やしで包むことはもちろん、家の中をパトロールして毎日定期的に登録された人物を撮影しレポート発信する「aiboのおまわりさん」機能は、自身や周囲の家族などへ安心感を提供した。

「aiboプレミアムプラン」パンフレットより