- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
ソリューション営業の強化~ガバナンスサーベイ
当グループの強みは上場企業受託社数・管理株主数ともに業界No.1の顧客基盤と豊富な事例に対応してきた経験値・専門性にある。そうした強固な顧客基盤を活用し、2017(平成29)年度以降、ガバナンスサーベイ、役員報酬サーベイを実施し、サーベイ起点のコンサルティングを展開した。企業にとっても、国内最大級のサーベイデータから、上場企業全般のガバナンスや役員報酬における取り組みを把握できることに加え、業種・会社規模等に応じた各社の平均的な取り組み状況、それと比較した個社分析結果等を把握できるというメリットがあった。
ガバナンスサーベイは、開始初年度から全上場企業の約3割に当たる1,074社が参加する国内最大級のリサーチとなり、企業の課題・ニーズを把握し、ソリューションを提供するというフィードバック活動を通じて、当グループは幅広い経営層とのディスカッションの機会を獲得し、コンサルティングのサイクル化に結び付けた。
また、役員報酬サーベイでは、デロイト トーマツ コンサルティングとの協働により、報酬の水準・構成に加えて評価制度・体制の調査も実施。翌2018年度には、両サーベイを起点とした事業横断による提案活動のさらなる強化を図ることとし、同年度以降、ガバナンスサーベイは日本のコーポレートガバナンス改革の第一人者、伊藤邦雄一橋大学大学院経営管理研究科特任教授監修のもとで実施し、伊藤教授によるサーベイ報告会、スモールセッションも開催した。
こうした取り組みにより、ガバナンス・コンサルにおける当グループのブランド化は大きく進展し、2018年度のガバナンスサーベイ参加企業数は全上場企業の約4割に当たる1,407社と前年度を大きく上回り、また役員報酬サーベイには同じく国内最大級の659社が参加し、1万人を超える役員報酬データを獲得した。なお、同年度には、コーポレートガバナンス・コードの改訂が実施されたことにあわせ、指標の高度化も行った。
2019(令和元)年度には、さらなるサーベイの進化に向けて、役員報酬関連コンサルの品質向上および同コンサルを起点とする「指名・報酬委員会」設置などへのワンストップ型コンサルモデルの確立や、会員制情報提供サービス「FOCUS CLUB」の拡充によるターゲット層の拡大を図った。また2020年度からは機関投資家を対象に、企業向けサーベイで聴取している事項のうち、投資家にとって関心が高いと想定される設問を抜粋してヒアリングを実施。企業の認識と国内外投資家への期待をそれぞれ明確化し、建設的な会話を促進した。

ガバナンスサーベイ資料(2017年度)