三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第1節
マイナス金利時代の到来とデジタル革新

1 不確実性の増大

「実感なき」長期の景気拡大

アベノミクス景気は、過去の景気回復期と比べ経済成長が緩やかだったことから、「実感なき景気回復」などと称された。アベノミクス期には、完全失業率の低下、有効求人倍率の上昇など、雇用の改善が顕著で、一部業種では深刻な人手不足が見られた。高齢化と人口減少という長期的な人口動態の影響が考えられるが、新たに増加した就業者の多くが非正規雇用であり、その大部分を女性や高齢の短時間労働者が占めた。こうした労働供給構造を背景に、雇用の改善は賃金上昇をもたらさず、個人消費に影響する実質賃金、デフレ脱却の成否を左右する名目賃金は、ともに伸び悩んだといえる。

アベノミクス景気は、2018(平成30)年10月をピークに後退に転じたが、同年後半は米中貿易摩擦が激化して世界経済が減速した時期にあたり、翌2019年10月の消費税率10%への引き上げも、結果的に景気後退のタイミングで実施された。そして、日本と世界は前例のない厳しいコロナ不況と向き合うことになる。

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