- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
金融商品取引法違反再発防止の取り組み
2012(平成24)年3月、証券取引等監視委員会より、中央三井アセット信託銀行株式会社が2010年に行った株式売却事案について、金融商品取引法違反(インサイダー取引規制違反)の事実が認められたとして勧告がなされた。5月には、同時期に発生していた別の株式売却事案に対し、同社の権利を承継した三井住友信託銀行に課徴金納付命令発出の勧告が新たになされた。
当グループは、きわめて重大な事態と認識し、3月勧告を受けて社外有識者も参加した特別調査委員会(委員長:常陰会長)により広範な調査・分析を実施、その結果を第三者委員会(委員長:濱田邦夫 元最高裁判事)が徹底的に評価・検証し、6月には第三者委員会調査報告書を公表した。これを踏まえ、三井住友信託銀行はファンドマネージャー等運用担当者の証券会社営業担当者との接触の原則禁止や外部から入手した情報の取扱ルールの厳格化などを含む再発防止策を策定・順次実施することにより法令等遵守態勢を大幅に強化することとし、信頼回復に取り組んだ。また当社においても、経営としての責任の明確化と関係者の厳正な人事処分を行うとともに、グループ全社のコンプライアンス態勢をさらに強化し、再発防止のための取り組みを進めた。
〈主な再発防止策〉
- インサイダー取引防止に特化した内部監査の実施
- 証券会社等との接触等に関するガイドラインの制定
- コンプライアンス研修等の強化
- 売買発注に係る証券会社評価の見直し
- 受託者精神に立脚した自己規律の浸透のための全社的活動の実施
- 内部通報制度の活性化