- 第2編
- 第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023
- 第4節
- Well-beingの好循環を目指して
1 社会と社員のWell-being追求
社員のWell-being向上へ
当グループが掲げる存在意義(パーパス)を実現し、社会課題への取り組みを通じた資金・資産・資本の好循環の促進と市場の創出による成長を図るためには、非財務資本、なかでも人的資本の充実が重要となる。社員は価値創造の源泉となる重要な資本の一つ(人的資本)であり、社会的価値創出および経済的価値創出の重要な担い手となる。人的資本への投資による社員のWell-beingの向上を通じて、お客さまや社会への価値創出が実現し、社会の一人ひとりのWell-being向上につながることとなる。それが結果として、社会の成長とともに当グループの企業価値向上と、社員のWell-being向上をもたらす好循環を創り上げると考えている。
価値創造の起点となる社員のWell-beingについて、当グループは、2021(令和3)年度に「心身ともに健康で、会社のパーパスに共感しながら、多様性を認め合う良好な人間関係のもと、自分の価値や強みを活かして、働く幸せを実感し追求していける状態」と定義し、社員のWell-beingを追求することで人的資本の向上を実現していくこととした。
Well-beingによりバリューアップした人材がポジティブ・インパクト創造に寄与し、価値創造が図られるという好循環を生む狙いである。
2021年4月にはWell-being担当役員を設置し、日本経済新聞社主催の「Well-being Initiative」など、産官学連携セッションに参画しながら、社内外でのWell-being活動を推進。後半期には2021年11~12月に店部長・次長向け、2023年1~2月には課長向けに1on1コーチング研修を行ってコミュニケーションスキルの向上を図り、各現場にて店部長塾を実施してWell-beingの浸透を図った。また同年度にはWell-being担当役員らが社員に向けてWell-beingの意味や意義を語りかけるキャラバンを計34回開催し、社員約1万人が参加した。また社外に向けては、2023年3月20日「国際幸福デー」でのWell-being発信のほか、2023年3月に朝日新聞主催の「WELL-BEING ACTION!」にも協賛し、社会のWell-being実現に向けた活動を積極的に推進した。
こうした取り組みの結果、Well-beingへの理解が向上した一方で、労働規制の強化による業務逼迫などもあり、パルスサーベイ *1 を実施しながら施策をブラッシュアップし、またグループ各社の好事例を集約し、水平展開を行った。
なお、三井住友信託銀行では、自律的なキャリア形成を促進するため、事業および業務領域への理解を深める機会として事業説明会を開催し、「業務公募制度」を実施してきたが、さらに、2020年度に「社内副業制度」、2023年度には「社外副業制度」を開始し、社員一人ひとりが自らの意思で関心のある業務に挑戦しうる選択肢を拡大した。

「人的資本」の強化から「Well-beingの好循環」へ