- 第2編
- 第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023
4 法人トータルソリューション事業
基本戦略と重点領域の進化
法人トータルソリューション事業では、前中期経営計画(2017~2019年度)において、「トータルソリューション営業モデルの加速」「与信ポートフォリオの変革(グローバル戦略)」「ビジネスインフラの進化」に取り組んできたが、脱炭素、企業ガバナンスの強化に向けた社会的な要請やイノベーションの加速、資産形成や事業承継などの社会課題を踏まえ、2020(令和2)年度からの中期経営計画においては、これらの戦略を踏襲しつつ、新たに次の「進化テーマ」を掲げた。
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ESG/エンゲージメント型トータルソリューション
企業価値の向上には、収益力・成長力のみならず、投資家、取引先、従業員などあらゆるステークホルダーに対する多面的な施策が必要となった。当グループは、多様なステークホルダーとの接点および幅広いソリューションを強みとし、企業とステークホルダーをつなぐ「ESG/エンゲージメント型トータルソリューション」をトータルソリューションの進化形と位置づけ、ESGを重点分野として追求することとした。 -
イノベーション企業領域の開拓・チャレンジ
デジタル化の進展により産業構造が変わるなか、日本経済の成長のためには、新たな産業・価値を生み出すスタートアップ企業の存在がより重要となった。そこで当グループは、スタートアップ企業の成長ステージに応じたさまざまなソリューションを提供するため、注力領域を「イノベーション企業領域」とし、当該領域を担う専担組織「イノベーション企業推進部」を新設し、社会課題の解決に貢献するとともに、将来の顧客基盤の拡充と当グループ自身のイノベーション強化につなげることとした。 -
グローバル戦略におけるアジア地域ビジネス
与信ビジネスの競争環境が厳しいアジア地域において、不動産や運用商品の提供など、当社が保有する機能の活用や、パートナー戦略により、中国・アジアの成長を取り込むことを目指した。 -
デジタル領域における創造と加速
デジタル技術やデータの利活用を通じた新しい価値創造を目指す取り組みを加速。リレーションシップ・マネージャーの営業支援、顧客アプローチを高度化する取り組みと、イノベーション企業等との協業を通じてソリューションを開発し、お客さまに提供する取り組みの双方を通じて、顧客満足の実現を目指した。
なお、2022年4月には、法人向けサステナブルソリューションの強化、提供価値の拡大に向け、主要プロダクトである証券代行業務およびガバナンス関連プロダクトを集約・統合し、法人トータルソリューション事業を「法人事業」として再編した。

主要施策の全体像