- 第1編
- 第3章 - 金融激動と業界再編 1991~2010
金融再生プログラム下での不良債権処理
2002(平成14)年10月、小泉内閣の総合デフレ対策に沿う形で竹中平蔵金融担当大臣が中心となって、主要行の不良債権比率を2004年度までに半分程度に低下させることを目標とする金融再生プログラムが策定され、2003年4月には、金融機関からの債権買取と企業の経営再建を行う産業再生機構が設立された。また、不良債権と並んで金融機関の経営圧迫要因となっていた保有株式の価格変動リスクを軽減すべく、2001年には銀行等保有株式取得機構が設立された。
金融業界では、金融再生プログラムに盛り込まれた不良債権比率引き下げ目標を達成すべく、各行とも積極的な不良債権処理を進めたが、経営破綻に追い込まれる地方銀行、信用金庫、信用組合が続出し、大手銀行でも2003年5月には、りそな銀行に対し2兆円の資本注入と早期是正措置等が行われるなど、なお金融システム不安がくすぶり続け、ペイオフ全面解禁は2005年4月まで延期された。