- 第1編
- 第3章 - 金融激動と業界再編 1991~2010
グループ事業戦略
住友信託銀行は、顧客基盤の一層の拡充、事業領域の外延的拡大を図るため、グループ事業戦略を積極的に展開した。これは、規模の拡大のみを追求するものではなく、足りない要素を補うことで多機能化を推進しようとするものだった。
2007(平成19)年9月には、預金、資金決済、融資、資金運用のフルバンキングサービスを備えた国内初のインターネット専業銀行として、SBIホールディングスと共同で設立した住信SBIネット銀行が開業した。次いで2009年7月には、米国シティグループ傘下にあった日興アセットマネジメントの全株式を取得することを米国シティとの間で合意し、同年10月に子会社とした。
日興アセットマネジメントの有する国内外の販売ネットワーク、市場ニーズを的確に捉えた商品の開発力・運用力・営業サポート力と、住友信託銀行が培ってきた資産運用事業ノウハウを活用し、付加価値の高い商品・サービスを幅広く提供することで、グループ全体として中核事業である資産運用分野を一層強化することとしたのである。
なお、同じくシティグループの傘下にあった旧日興証券は、2009年10月に三井住友フィナンシャルグループに入り、2011年4月にSMBC日興証券に社名変更している。