三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016

不動産総合事業化の推進――循環モデルへの進化

不動産事業では、お客さまに対して最適な提案ができるようにオフィス、商業、物流、住宅、ホテルの各用途別セクションを設置し、案件情報を集約するとともに、セクション長として主管・審議役を配置することでノウハウを集約した。

また、全担当者が多様な機能・サービスを複合的に組み合わせた付加価値のあるトータルソリューションを提供するため、以下の活動サイクル(循環)による「つなげる営業」を不動産営業の「型」として確立し、自ら革新を継続していくこととした。

  1. お客さまの不動産に関する所有・賃貸借の状況、経営戦略・課題等の把握→ニーズ・課題の分析→企業価値・ファンド価値向上のための提案
  2. 売買・賃貸借等の具体的かつ多様な情報提供
  3. 仲介・コンサル等の取引・サポート
  4. 管理・運用(継続関与)
不動産循環モデル

不動産循環モデル

不動産循環モデル

不動産循環モデル

2013(平成25)年度には、全社を挙げた情報獲得活動およびお客さま本位の提案活動により、信託を傘下に持つメガバンクに対する競争力を高めることを目指すとともに、アクセス可能不動産(AUA:Asset Under Access) *1 の概念を導入し、その拡大を推進。さらに2014年度には、「不動産循環モデル」による「信託銀行型総合事業」化を一層推進することとし、AUAを集約・データ化した。

それまで重点テーマとして取り組んできた顧客基盤の構築、事業間連携による案件情報の積み上げは、一定の成果に結び付いていたものの、顧客基盤と営業の「型」とを結合させる関連情報の活用や成果への結実という面では取り組み途上であった。そこで、当グループのあらゆる不動産情報を共通プラットフォームに蓄積し、収益拡大を図るのみならず、事業間・事業内連携により、AUAから商材化された案件の「取引循環」および連続的なクロスセルによる「連鎖」の二軸で総合事業化を図り、環境変化に連動する収益構造からのビジネスモデル変革に取り組むこととしたのである。

2015年10月には、さらなる国内顧客基盤拡充を目指して不動産企画部内に「不動産ネットワーク営業推進部」を新設し、地方銀行、証券会社など18社とのアライアンスにより、同年度下期の9件から2016年度には259件と飛躍的に成約件数を伸ばした(2023年度では633件)。

2016年度には、「信託No.1」をさらに確固たるものとするため、事業内各部からの提言等も踏まえ、「営業総活動量の増大」に向けた行動モデル改革に取り組むこととし、4月の組織改正において、フロント営業時間の確保を目的に *2 、不動産企画部内に物件調査、重要事項説明書作成、引き渡し事務を担う「不動産業務サービスグループ」を設置。あわせて「不動産営業第五部」を新設し、中堅企業およびプライベートバンキング事業向けの対応力の強化を図った。

不動産事業では、個別物件を軸とする営業活動に加え、経営環境・事業課題の分析による総合提案を実施し、仲介という一時的な取引に終わらせることなく取引を継続していくための「不動産総合営業」を目指した。

当グループ保有不動産、AUM(運用物件)に加えて、当グループの取り組みを通じて獲得する不動産関連ニーズや情報

営業時間捻出が主な目的であったが、あわせて、機能集約による業務品質の高度化も狙っていた。

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