- 第2編
- 第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023
9 マーケット事業
市場性トータルソリューションの強化
マーケット事業では、既存領域を①ファンド向けソリューション提供、②地銀セールス強化、新商品導入、③収益安定化と投資領域拡大、④外貨調達安定化、コスト最適化、新成長領域を①市場性トータルソリューション提案強化、②外貨預金残高拡大、③市場運用共創プラットフォームを通じた全社収益貢献と位置づけた。
2020(令和2)年度には、既存領域において、受託事業を中心とした協働によりファンド為替の取引体制が整ったことを受け、ファンド向けセールスの活性化やオルタナティブファンドの新規取引獲得などを推進。また、地銀には、インターバンク取引において差別化した切り口での提案および情報提供を実施し、ヘッジフローの獲得による収益の積み上げを目指すとともに、取り扱いアセットの拡大を通じて新商品・新ビジネスの導入を主導した。
一方、新成長領域では、市場性トータルソリューション提案を強化するため2020年度にトータルソリューション営業特化型チームを新設し、法人トータルソリューション事業と密に連携しながら商材発掘を強化するとともに、注力分野の長期為替や新興国通貨ヘッジ、ストラクチャー型金利デリバティブ・通貨オプションなどの提案拡大を推進した。なお、2020年度はコロナ禍の影響のもと、対面での営業が難しい状況にあったため、法人トータルソリューション事業との協働によりお客さま向けウェビナーを開催したほか、社内リレーションシップ・マネージャー向けにZOOM勉強会「あつまれマーケットのもり“あつもり”」を開催し、延べ1,800人が参加した。
また2018(平成30)年度にリリースした市場運用共創プラットフォームについては、法人アセットマネジメント事業との協働のもと、地銀の有価証券ポートフォリオの開示を受け、共有化された課題への改善提案を行い、事業ノウハウや組成ファンドを提供。地銀アライアンスを構築し、全社ベースでの展開を図り、全社収益への貢献を図った。
こうした取り組みの結果、「東京外国為替市場調査」(毎年『J-MONEY』秋号で発表される過去1年の金融機関の為替取引サービスを利用者が評価するランキング企画)において、三井住友信託銀行は、「総合評価ランキング」事業法人部門で圧倒的なトップを維持しており、金融法人、外国為替証拠金取引会社を含む部門全体でも2022年に3位と前年の9位から大きくアップし、2023年には2位となった。本調査では総合力に加え、緊急時の顧客対応や情報提供などに関しても指名理由となっている。