三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019

コーポレートガバナンス改革

2017(平成29)年2月、迅速な業務執行を実現する経営力と、経営の健全性を確保する監督・牽制力の両立を狙いとして、コーポレートガバナンス高度化に向けた改革に踏み切った。改革の主なポイントは以下のとおりである。

〔1〕持株会社の指名委員会等設置会社への移行

最大の狙いは、執行と監督を分離し、持株会社の取締役会は監督に特化して、執行役が迅速に業務を執行できるようにすることだった。指名委員会等設置会社では、取締役会は委員会の活動等を通じて経営を監督する。一方で、執行役は取締役会から権限移譲を受け、業務執行の決定を行う。従来型の監査役設置会社では、取締役会が重要な業務執行を決定していたが、指名委員会等設置会社では、執行役に重要な業務執行の決定を任せられるため、取締役会はグループの方針や戦略の決定と監督機関としての役割に専念することができる。

また、指名委員会等設置会社では、取締役会の内部機関となる指名委員会、報酬委員会、監査委員会の3つの法定委員会はすべて社外取締役が過半数を占めることとされており、より実効的な監督体制が構築できる。当社では加えて、任意の委員会として、リスクガバナンスの助言等を行うリスク委員会および利益相反管理態勢の監督を担う利益相反管理委員会を設置した。これにより、コーポレートガバナンスの実効性を確保するとともに、当グループのビジネスモデルの健全性および信頼性、ならびに経営の透明性をより一層高めることとなった。

2017(平成29)年6月、当社は「指名委員会等設置会社」へ移行したが、これに伴い、2015年5月に制定した「コーポレートガバナンス基本方針」を改定している。

〔2〕持株会社と中核子会社の機能・役割の明確化

持株会社である当社と中核子会社である三井住友信託銀行の機能・役割が明確に整理されていないという課題に対し、当社がグループ全体の方針、経営の基本戦略を決定し、三井住友信託銀行を含むグループ各社の経営計画や業務運営について指導・管理・監督を行いながら、グループ全体の監督・牽制機能を発揮する体制とした。また三井住友信託銀行は、持株会社が定めたグループ全体方針に従って、傘下の子会社・関係会社の事業戦略を推進する機能を担った。なお、当社と三井住友信託銀行の兼務については、当社における専任者の設置と当社を本籍とする従業者の増員(40名規模から90名規模へ)にて対応することとした。

〔3〕社外取締役の取締役会議長就任

2017(平成29)年6月の指名委員会等設置会社への移行に合わせて、取締役会の議長には社外取締役の松下功夫 *1 氏が就任した。これに先立って、同年4月、取締役会議長をサポートする専門組織として取締役会室を設置。あわせて、非業務執行取締役の常勤監査委員を取締役会の副議長に選定し、取締役会の審議事案を中心とした各種情報の提供と、経営、監督の視点での論点の整理等についてサポートしていくこととした。

JXTGホールディングス(現在のENEOSホールディングス)の元代表取締役社長

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