- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
6 デジタル戦略の強化
デジタル企画部の新設
当グループは、急速に進展するデジタル化の流れのなか、デジタル変革を最も重要な経営戦略の一つと考え、2015(平成27)年に全事業横断のFinTechプロジェクトチームを立ち上げて、ブロックチェーンやAI(人工知能)など新しいテクノロジー活用を目指した実証実験、社外のパートナーとの共同研究などを重ねた。FinTech(フィンテック)は、Finance(金融)とTechnology(技術)からなる造語だが、最新テクノロジーを活用した新たな金融サービスの仕組みとして注目を集めていた。
各種実証実験および研究の結果、ブロックチェーンについては実現に年月が必要な中期的課題として実証実験を終了。一方、AIについては、本格導入に向けてFinTechスタートアップ企業や他の金融機関との協働を視野に、業務効率化および収益拡大に関する検討を加速させることとした。
2017年度以降に取り組むこととしたデジタル戦略のポイントは、次のとおりである。
- AI等活用によるローコストオペレーション:RPA、コールセンターAI活用(証券代行)
- AI等を活用した営業支援・運用支援の検討:営業支援システム(法人)、AI活用マッチング(不動産)、AIを活用した運用戦略(運用)
- FinTech企業との共創、オープンイノベーション:オープンAPI *1 、決済サービスプラットフォーム検討
- 他金融機関との共同連携(①・③)
2017年11月には、「不連続な成長実現に向けた新たな成長へのチャレンジ」「抜本的なコスト構造の転換と業務効率化」に向け、当社と三井住友信託銀行においてデジタル企画部を新設。デジタル変革、なかでもトータルソリューションモデルの進化に向けたテクノロジー活用の調査・研究と実証実験を加速。2018年度には、「デジタル戦略の全体像」を定め、短期的に確実な効果の創出を目指す重点施策をDeep Dataを活用した職域営業の高度化、顧客接点・ビジネスロジック(ルール、手順)のデジタル化、全社BPR(Business Process Re-engineering)推進、中長期的な付加価値向上・効率化を目指す重点施策をDeep Dataを活用した法人コンサルティング高度化、AIを活用した運用高度化とした。

デジタル戦略の全体像