三井住友トラストグループ

第1章

信託制度の確立と発展
1922~1974

第3章

金融激動と業界再編
1991~2010

第1編
第3章 - 金融激動と業界再編 1991~2010

中央信託銀行と三井信託銀行の合併合意

1999(平成11)年1月初頭、中央信託銀行と三井信託銀行は、合併に向けて協議を開始した。中央信託銀行は、北海道拓殖銀行からの営業譲受後、さらなる顧客基盤の拡大と収益力の強化を目指していた。また三井信託銀行は、三井グループ金融各社との連携を深める一方、1998年に他社に先駆けて海外の銀行業務から全面撤退し、米国ステート・ストリート銀行との提携によって資産管理・運用業務を強化するなどの生き残り戦略を打ち出し、早期に収益力や営業基盤の強化を図ろうとしていた。

両社は、収益力の向上とコスト削減効果を目指すためには、信託銀行同士の合併がベストプラクティスであると考えた。そして、互いの長所を生かして信託機能を強化し、総合金融機能を有するトップバンクへと飛躍するため、協議開始後まもない1月19日に合併に向けた具体的協議に入ることを公表し、5月24日に合併契約を締結した。2000年4月1日に両社の合併によって発足する新銀行は、存続銀行を中央信託銀行とし、合併時には三井信託銀行の1株に対して中央信託銀行の0.3株を割り当てることとした。

この合併で、新銀行は、国内店舗数、信託財産残高で信託銀行トップ、総資金量では東京三菱銀行に次いで邦銀2位となるものの、収益力の面では課題もあった。1999年3月には、公的資金による優先株式等の引受の申請を行うにあたり、「経営健全化計画」を両社で策定した。この計画は、合併による競争力の向上などによって収益を増加させる一方、重複しているシステムや業務の統合、重複店舗の統廃合や海外拠点の閉鎖などのリストラ策の実施によって約430億円の経費を削減し、実勢業務純益で年間2,000億円を超える水準を確保しようというものであった。

中央三井信託銀行の合併承認告知ポスター

中央三井信託銀行の合併承認告知ポスター

  1. 三井住友トラストグループ100年史 ホーム
  2. 100年史
  3. 第1編 - 第3章 - 3 金融システム改革と金融再編 - 中央信託銀行と三井信託銀行の合併合意