- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
4 人生100年時代に向けた取り組み
信託銀行の機能を生かした超高齢社会問題への対応
超高齢社会の到来によって年金や社会保障などの生活を支える経済社会システムが脆弱化したり、認知症等の高齢者に対する適正な金融サービスの対応が遅れたりすることによって、安全な生活に支障をきたすおそれが増大している。「人生100年時代」は、時間軸が長期化したことでニーズの多様化をもたらした。例えば個人では資産形成・承継、認知症、おひとりさま、法人では定年延長、人材不足、従業員の資産形成などにおいて幅広い対応が求められており、当グループが提供するトータルソリューションの幅や領域も、こうした変化に応じて変えていかなければならないということである。
当グループは、信託銀行の機能を生かして超高齢社会問題に対応するため、投資教育、コンサルティング展開を強化し、長期的投資を促進。財産管理機能、また保険などの形でセーフティネットを提供し、過剰貯蓄などを回避させ、投資と消費の活性化を図った。
2019(令和元)年度には、人生100年時代に対応するための新組織(4月「人生100年応援部」、9月「資産のミライ研究所」「人生100年安心プラザ」〈第3節1「人生100年応援部の新設と人生100年応援信託」「三井住友トラスト・資産のミライ研究所発足」「三井住友トラスト・ライフパートナーズの設立」参照〉)を次々に立ち上げるとともに、個人向けソリューションにおける「資産寿命の延命」に着目。サードライフでの住み替えニーズ提案などの新たなコンサルティングを展開するとともに、対面チャネルの充実による安心の提供に努め、「100年付き合える金融機関」を目指した。
また、法人向けでは当グループの強みを生かし、人事、年金、福利厚生制度の見直しに向けたコンサルティングを拡充。退職時期が流動化し、退職後にも資産運用ニーズが生じたことを受けて、退職者ソリューションを「退職前後層」ソリューションへと拡大し、退職金の安定的運用を目的とした新たな積立運用商品や企業型から個人型への年金移行サポートなど、商品・サービスの強化を進めた。