- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
2 ビジネスモデル改革とグループ再編
経営体制の刷新と三位一体改革
2017(平成29)年4月、当社の取締役社長 *1 に大久保哲夫、三井住友信託銀行の取締役社長に橋本勝が就任した。
統合後の5年間で、当グループは事業横断領域での収益基盤拡大などによって成長への手ごたえをつかみ、The Trust Bank実現に向けて順調にスタートをきった。しかし、バランスシートビジネスは転換期に差し掛かり、またマイナス金利政策のもと、与信スプレッドの低下をボリュームで確保することには限界が見え、ビジネスモデルの変革が不可欠となっていた。そこで、変化の激しい環境においても安定的に成長していく「筋肉質な事業ポートフォリオ変革」と利益の成長を下支えする「抜本的なコスト削減」を目指すこととし、事業収益のウェイトを「貸出起点の大企業法人取引」から「個人、法個(オーナー企業との法人取引/企業オーナーとの個人取引)、プライベートバンキング」へ、また「大企業与信、市場収益」から「運用・管理の手数料ビジネス」へと持続的にシフト。安定的収益、ROE向上とともに経費率の改善を図り、さらに長期にわたってお客さまと付加価値を共創するベストパートナーの地位を幅広く築き上げることを目指す姿とした。
2017年4月には、ビジネスモデル変革に向けた組織改正として、リテール事業を「個人トータルソリューション事業」、ホールセール事業を「法人トータルソリューション事業」へ名称変更し、資産・負債両面のトータルソリューション戦力を増強。あわせて、法人資産運用事業領域を独立事業化し、法人アセットマネジメント事業とした。

大久保哲夫社長・橋本勝社長就任ポスター