- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
資産運用商品・サービスの拡充
〔1〕ラップ口座
当グループは、2007(平成19)年にラップ口座の取り扱いを開始して以来、企業年金運用等で培ってきたノウハウを生かした“信託銀行らしいラップ型運用商品”としてお客さまの資産形成に寄与してきた。ラップ口座は、お客さまにふさわしい運用プランを提案し、投資一任契約を結ぶことで、投資判断や売買、管理などを三井住友信託銀行がお客さまに代わって行う商品である。運用ニーズとリスク許容度に合わせて、5コース10種類の運用コースの中から提案する「三井住友信託ファンドラップ」(最低投資額500万円)と、3,000万円以上の運用を検討しているお客さま(法人は1億円以上)を対象とする、完全オーダーメードの資産運用サービス「三井住友信託SMA」 *1 があり、2013年4月には、満40歳から満65歳のラップ口座の契約者を対象に、契約金額に応じてがんまたは介護の保障を無料で付帯し、より大きな“安心”を提供する業界初のサービスとして「人生安心パッケージ」の取り扱いを開始した。
当グループは2012年度にラップ口座およびラップ型投資信託のコア投資戦略ファンド(愛称:コアラップ)を戦略商品「ラップセレクション」と位置づけ、DCやNISA、退職金向けの運用先としてコアラップの拡販に注力するとともに、承継ニーズにも寄与する個人年金保険および終身保険の拡充を進めた。2013年10月には、ラップ口座のスキームやノウハウを活用し、第一フロンティア生命保険と共同で、外貨(豪ドル)建て変額個人年金保険「ラップライフ」の取り扱いを開始。定額部分と変額部分の二階建てスキームとし、定額部分で一時払い保険料の110%を豪ドル建てで確保しつつ、変額部分でプラスαの運用成果を目指した。
こうした商品ラインアップの充実にあわせて、商品導入後にも「人生安心パッケージ」 *2 を付加するなど、サービスの拡充を図った結果、2014年12月、ラップセレクションの残高は1兆円に到達。さらに2015年6月には市場環境に合わせて運用を行うサテライト投資戦略ファンド(株式型、愛称:サテラップ)、2016年8月には資産分散に加えて投資タイミングを分散してリスクを抑制する時間分散型バランスファンド(愛称:ステップ・ラップ)の販売を開始した。
また、ラップセレクションの新たな生命保険商品ラインアップとして、2015年8月にマニュライフ生命保険と開発した外貨建て(豪ドル・米ドル)変額終身保険「ラップパートナー」、同年10月には三井住友海上プライマリー生命保険と開発した外貨建て(豪ドル・米ドル)変額終身保険「ラップギフト」の取り扱いを開始。「ラップパートナー」は、変額終身保険では業界初の、資産を増やしながら、自分のために使うというニーズ *3 に対応し、「ラップギフト」は一時払い保険料の全額を特別勘定で運用するシンプルなスキームで、従来以上の利回りへの期待に応えた。
SMAは2022年8月に新規募集を終了し、代わってファンドラップ・プレミアム(最低投資額1億円)を提供している(1億円未満の場合はファンドラップで対応。既存のSMA契約者は最低投資額未満でもファンドラップ・プレミアムに切替が可能)
日本で初めて(当社調べ)各種保険を無料付帯(2013年4月開発)
定額部分・変額部分を併せ持つ一時払い終身保険商品で、変額部分の運用益に連動した定期引出機能は業界初(2015年7月 マニュライフ生命調べ)

ラップセレクションの商品ラインアップ(2016年度)
〔2〕ロボアドバイザーツール「とうしの入口」
三井住友信託銀行は、5つのシンプルな質問に答えるだけで、お客さまに適切なポートフォリオを提示し、リスク・リターンのイメージや将来の収益予想も確認できるロボアドバイザーツール「とうしの入口」を開発 *4 、2016(平成28)年12月より同行ホームページでの提供を開始した。
三井住友信託銀行は、企業年金で培ってきた信託銀行の運用ノウハウを生かし、投資信託や投資一任運用商品(ラップ口座)、保険商品などを通じて多くのお客さまの資産運用の手伝いをしてきた。こうしたなか、NISA(少額投資非課税制度)やジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)など、主に現役世代の資産形成を支援する制度の導入により、投資家のすそ野拡大が見込まれた。そのため、投資初心者でも手軽に活用でき、資産運用の新たな扉を開く「とうしの入口」となれるようにとの思いを込めて、このサービスが開発された。

「つみたて・とうしの入口」パンフレット