- 第2編
- 第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023
サステナビリティ・リンク・デリバティブ
2021(令和3)年7月、三井住友信託銀行はスポーツ用品等の製造・販売会社アシックスとの間で、サステナビリティ・リンク・ローン原則 *1 に準拠した先物外国為替予約取引(ESG 為替予約)を締結した。サステナビリティ目標に連動するデリバティブや為替取引の提供は国内金融機関初(当社調べ)の取り組みであった。この取引では、アシックスの定めるサステナビリティ目標と関連したサステナビリティ・パフォーマンスターゲット(SPT)を設定し、先物外国為替予約の条件とSPTに対するアシックスのパフォーマンスとを連携させ、SPT 達成への動機づけを与えることで、環境的・社会的に持続可能な経済活動および経済成長を促進し、支援することを目的としている。なお、SPTが未達成の際には、アシックスが定めるサステナビリティ・ビジョンに合致する団体へ三井住友信託銀行を通じて寄付を行うことで、ポジティブ・インパクトを創出する。
アシックスは、海外の協力会社で生産を行っているが、その支払いのための為替を予約することで為替レートの変動リスクを回避し、また、ESG為替予約で調達した資金を脱炭素化の設備投資にもあててもらうことでサプライチェーン全体の脱炭素化を図る。三井住友信託銀行では、ESGを組み込んだデリバティブを提供することにより、新たなお客さまの獲得と、さらなるポジティブ・インパクトの創出を目指す。