三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023

トータル・ウェルス・マネジメントに向けた取り組み

当グループは、UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントを核として、UBSグループの世界トップレベルの資産運用機能を活用し、当グループの相続・資産承継、不動産などの幅広い機能を有機的に組み合わせ、これまでカバーしきれなかったハイネットワース層(HNW)における資産運用・証券管理ニーズにも対応しうる体制を構築した。UBSのプロダクトに対するお客さまからの評価は高く、早々に一定の手応えを得たが、折しもスタートの年にコロナ禍が重なり、立ち上げで苦戦。協業によるイベント・セミナー等の中止・延期が相次ぐなど、「UBS SuMi TRUST」ブランドの認知をイベントや対面営業で高めることが難しい状況となったため、ネット等を活用した認知度向上策を講じた。市場環境の影響によるIPO市場の停滞や仕組債販売の見直しなどもあり、UBS商品のクロスセルも停滞していたが、2023(令和5)年度下期には販売強化策として、UBSの営業担当者(CA:Client Advisor)との直接連携制を導入 *1 。大型不動産案件を含むクロスセルも活発化した。

一方、営業店部におけるウェルス・マネジメント活動については、2021年度、収益化が進んでいた地主層に加え、企業オーナーへのアプローチを強化するため、営業店部に専担者を配置。営業店部との連携のもと、ターゲット選定や同行営業を行い、弁護士や税理士などの士業の開拓を行うとともに、企業情報部との連携のもとで事業承継やM&Aを推進した。

従来のプライベートバンキング事業では、ターゲット層の約8割が65歳以上の高齢者であったため、民事信託をはじめとする後見代替、遺言代替の信託商品を通じた財産管理ニーズへの対応を強化し、次世代層との接点創出、取引獲得を通じたドメインの拡大を図った。2023年度には民事信託の推進機能とともに個人事業に担い手を移管し、同事業のさらなるスケーリングを目指している。

富裕層の新規開拓は、上記のような取り組みの拡充に伴って着実に拡大した。今後も基盤拡大が期待されるほか、個人事業や法人事業(特に創業・成長期のオーナー企業)、さらに不動産事業、関係会社、地銀などとの連携を促進している。

UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント、三井住友信託銀行の機能整理に伴うものだが、直接連携制の形をとりつつも、協業開始時のワンエンティティの精神は不変

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