三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023

2 「資金・資産・資本の好循環」

新体制の発足

当社および三井住友信託銀行は、2021(令和3)年1月開催の両社の取締役会において、同年4月1日付の代表執行役等の異動を決定。三井住友トラスト・ホールディングスの取締役執行役社長には高倉透、三井住友信託銀行の取締役社長に大山一也がそれぞれ就任し、新体制がスタートした。

高倉透社長・大山一也社長就任ポスター

高倉透社長・大山一也社長就任ポスター

新マネジメント体制は、目指す姿の一つとして、「企業価値の向上による果実を家計にもたらす資金・資産・資本の好循環の構築」を掲げ、2021年度については、以下の3点を「ビジネス・財務戦略上の重点取組事項」と位置づけ、5月に以下のリリースを出した。

  1. 業務品質の向上・高度化
    当グループが受託している株主総会の議決権行使書集計業務において、長年にわたり、不適切な取扱いを行っていたことが判明し、また信託銀行の元社員が、お客さまの金銭を着服するという不祥事件も発生した(本節3「不祥事案の発生」参照)。これらは、当グループに対する期待や信頼を損なう事態であり、大変重く受け止めている。高い業務品質は、信託グループの強さの源泉であり、お客さまや社会からの信任の基礎であることを改めて認識し、ステークホルダーからの期待に応え、またそのご期待を上回る業務の品質向上・高度化に努める。
  2. 信託グループらしいビジネスの加速
    社会構造の転換、社会課題の顕在化・加速化が進むなか、個人のお客さまにおいては、自らの将来のため、老後のため、また次世代のために、安心・安全にライフステージや世代間の資金等の循環ができる商品・サービスが求められている。企業のお客さま、また資本市場においては、脱炭素やイノベーションなど、社会課題解決に必要な領域へ資金・資産・資本を循環させることがますます求められている。当グループは、「循環」をキーワードとしつつ、「信託」をコアとした多様なサービスを用いて、お客さま、そして社会に付加価値の高いサービスを提供し、社会へのポジティブなインパクトを創出することで、社会と当グループの持続的・安定的成長を目指す。
  3. 政策保有株式の削減
    当グループでは資本効率向上の一環として、かねて継続的に政策保有株式の削減に取り組んできたが、依然として自己資本に対する保有金額が大きく、財務上の重要な課題となっている。新マネジメント体制のもと、政策保有株式の削減に向けた取り組みを大きく加速する。また、政策保有株式の削減は、当社財務面における資本効率性改善だけでなく、日本の資本市場の循環の向上にも寄与するものと考えている。なお、企業のお客さまにはこれまで以上に付加価値の高いサービスを提供するとともに、お客さまの資本・株主戦略も踏まえつつ、対話を通じて政策保有株式の削減に理解してもらえるよう進める。
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