- 第1編
- 第2章 - 国際化・自由化と社会の多様化 1975~1990
Column
中央信託銀行の上場
1949(昭和24)年、証券取引所が設立されるとともに、東京信託銀行(三井信託銀行)と富士信託銀行(住友信託銀行)は、大阪証券取引所および東京証券取引所に上場した。その後1962年に発足した中央信託銀行にとって、上場は先行各社と競争しうるポジションを得るための大きな目標だった。
高度成長から安定成長へと向かったのち、自由化・国際化が急速に進展するさなかの1989(平成元)年3月、中央信託銀行はついに二十数年来の念願だった東京証券取引所第二部へ上場。そして翌1990年9月には早くも同第一部への昇格を果たす。
上場は、経営課題となっていた自己資本充実への道を拓き、経営体質の強化に大きな可能性をもたらすものであったが、それを実際に生かすためには、まず企業としての社会的責任を担い、高度化・多様化した社会のニーズに的確に応え、豊かな成長性の感じられる魅力ある会社にならなければならない。同社は「広い視野の養成」「自主性の発揮」「企業倫理の確立」を軸に、未来に向けて前進していく決意を新たにしたのだった。

中央信託銀行への「有価証券上場承認通知書」授与