- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
4つの基本方針と重点施策
当社グループが目指す姿、時代とともに変遷するお客さま・社会からの要請や自らの強みを踏まえ、新中期経営計画の基本方針を次の4つに置き、ビジネスモデル変革を進めた。
(1)専業信託銀行グループとしての強みに磨きをかけ成長を追求
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多様な事業や機能の継続的強化
将来の成長ドライバーとして、資産運用・資産管理業務の圧倒的No.1化をはじめとした手数料ビジネスの強化と、リスクコントロール高度化によるバランスシートビジネスの効率化・安定収益化を図る。また、商品・サービスの小口化を推進し、個人取引・法個一体領域・プライベートバンキングビジネスに注力するとともに、法人分野では、大企業・金融法人をはじめとする幅広い顧客基盤を最大限に活用し、資金ビジネスだけでなく信託・財管・不動産取引等を含む手数料ビジネスを展開し、収益の維持・拡大、ならびに多様化を図る。 -
トータルソリューションの徹底による「ベストパートナー」の地位の確立
個人・法人のお客さまのさまざまな課題を解決するため、専門性と総合力を併せ持った営業担当者の提案力を一層磨き上げるとともに、トータルソリューションの提供に欠かせない多彩な商品・サービスの拡充を進め、お客さまの「ベストパートナー」としての地位を確立する。 -
中立的なポジションを活かした提携戦略の拡大
特定の企業グループに属さない柔軟な立ち位置を活かし、各分野で優れた強みを有する提携パートナーとWin-Winの関係を構築することにより、より幅広い商品・サービスをより多くのお客さまに提供する。
(2)コスト競争力の抜本的強化
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グループベースでの合理化・効率化の実現
グループ全体での業務効率性や各種投資効果の検証を通じ、システム投資やその他の経費運営を持株会社主導で見直すことで、コスト抑制・効率化を進める。
また、FinTechを含めたIT活用による生産性の向上を図る。 -
スケールメリットの追求
資産管理信託銀行の統合をはじめとして、スケールメリットの追求等の検討を継続する。
(3)ビジネスモデルと融合した資本政策の実行
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資本の十分性・効率性と成長投資のバランス維持
規制環境を踏まえた資本の質・量の充実と効率性の向上を図るとともに、持続的成長のための戦略的な資本活用を検討する。金融規制動向も踏まえ、政策保有株式を含む資金ビジネス所要資本を圧縮する。 -
中長期的な株主還元の強化
資本の十分性・効率性と成長投資のバランスを踏まえたうえで、業績に応じた配当等により、中長期的な株主還元強化を目指す。
(4)ガバナンスの実効性強化とフィデューシャリー・デューティーの高度化(本節3「フィデューシャリー・デューティー等の高度化」参照)
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コーポレートガバナンス高度化の推進
当グループが目指す姿の実現に向けたビジネスモデルの変革を強力に推し進めるため、当社の機関設計を指名委員会等設置会社に移行するなど、コーポレートガバナンス体制・運営の高度化に取り組む。 -
フィデューシャリー・デューティーと利益相反管理の強化
お客さまからの信頼と安心の確立に向け、経営から実務レベルまでの充実した体制を構築し、お客さまの「ベストパートナー」として、付加価値の高いトータルソリューションを提供していく。
〈財務目標〉中長期的に目指す方向(KPI)
手数料収益比率:60%程度に引き上げ
経費率:50%台半ばに引き下げ
株主資本:ROE8%以上(長期ターゲット10%)
普通株式等Tier1比率:安定的に10%程度を維持