- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
2 法人トータルソリューション事業
トータルソリューション営業モデルの進化
技術革新の進展やグローバルな政治・経済環境の変化、コーポレートガバナンスの高度化等への社会的要請に加え、低金利環境の常態化により、法人におけるニーズには大きな変化が生じた。そこで法人トータルソリューション事業では、2017(平成29)年度からの経営計画の作成に先立ち、取引先に対して第三者による「当社に期待する事項」の聞き取りを実施(VOC *1 プロジェクト)。その結果によると、信託・財産管理ソリューション、総合リレーションシップ・マネジメントモデルおよび同分野における人材力などで特に高い評価を受けており、単品商品の提供を超えたトータルソリューション提案については今後の期待値が高かった。またバンキング分野では、多くの大企業が当グループをメガバンクの補完と位置づけていた一方、大企業の特定業種および中堅企業等からはメガバンクと同等の評価があり、与信への期待が高いこともわかった。
この結果を踏まえ、当グループは顧客セグメントを精緻化し、それぞれのニーズの変化をしっかり捉えることを出発点とし、専業信託銀行グループならではの差別化に基づく付加価値を提供していくこととした。それにより、お客さまからの評価が向上し、さらに新たなビジネス機会の獲得につながり、結果として収益強化、手数料収益の拡大という収益構造転換も進展させていくことが、当グループの目指す姿であった。

お客さま向け資料「企業のコーポレート部門における動向と弊社セミナーのご紹介」
ガバナンスの領域では、役員報酬体系の見直し、取締役会運営のあり方などを含むガバナンス関連ソリューション、また資産形成に向けた対応としては、投資教育、積立制度導入といった従業員福利厚生などのニーズが拡大していた。このようなコーポレート部門の課題、特に資金取引以外のいわゆる非財務関連の経営課題に対し、企業のコーポレート部門と強いマルチコンタクトポイントを有する当グループは、ワンストップで対応できる強みがあった。そこで、リレーションシップ・マネージャーがハブとなり、シームレスな連携力をもって、それぞれ専門性の高い各事業(証券代行、不動産、受託、マーケット、個人トータルソリューション)と協働し、スピーディなトータルソリューション提供を図った。