三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023

中期経営計画の位置づけと基本戦略

新中期経営計画(2020~2022年度)では、前計画で積み残した課題に継続的に取り組むとともに、個人、法人、投資家などのそれぞれに生じる社会課題の解決につながる新ビジネスを創出することにより、持続的・安定的な成長に向けた基盤を確かなものとする3年間と位置づけた。また、新中期経営計画では、当グループの存在意義(パーパス)、社会構造の変化とともに変遷するお客さまや社会からの要請や当グループの強みを踏まえ、基本戦略を次の3つに設定し、ビジネスモデル変革を進めていった。

中期経営計画の位置づけ(持続的・安定的な成長の実現に向けた基盤の拡充)

中期経営計画の位置づけ(持続的・安定的な成長の実現に向けた基盤の拡充)

中期経営計画の位置づけ(持続的・安定的な成長の実現に向けた基盤の拡充)

中期経営計画の位置づけ(持続的・安定的な成長の実現に向けた基盤の拡充)

〔1〕事業ポートフォリオの強化(持続的・安定的な成長への基盤強化)

新計画では、ビジネスモデル変革を加速させるとともに、社会課題の解決につながる新たなビジネスの創出を通じ、事業ポートフォリオを強固なものとすることを目指した。具体的には、当グループが強みとするプライベートバンキング、資産形成層(職域)、スタートアップ企業取引推進、資産運用ソリューションを「新たな成長領域」と位置づけ、外資系金融機関等とのネットワーク構築・深化により、プライベートアセットやリアルアセットを増強。これに伴い、プライベートバンキング事業および資産形成層(職域)事業は従来の「(横断)領域」を「事業」とし、スタートアップ企業取引推進および資産運用ソリューションを新たに「横断・融合領域」と位置づけた *1

提携戦略では、過半の出資によるマネジメントにはこだわらず、グループ総合力を補完するための新機能の開発やROE(自己資本利益率)向上に資する目的で投資を行うこととし、社会課題解決型ビジネスの推進(経済的価値の創出)に向けた成長投資を推進する一方、既存領域についてはIT化などを中心とするアライアンスによって体質改善を進めた。

また、営業店の事務削減などにより創出した経営資源を新たな成長領域にシフトするなど、人的資源、IT・設備や財務資本を事業間で分配・融通・融合する「戦略的リソースミックス」を追求した。

2024年4月1日付でプライベートバンキングおよび資産形成層(職域)の両横断領域(ともに個人事業・法人事業・投資家事業横断)を「個人事業」に戦略的に統合し、資産形成層から富裕層まで、個人のお客さまの資産状況に応じたトータルコンサルティングを実現する体制に変革

〔2〕資本戦略(バランスシート、資本の効率的な活用)

資本戦略では、資本の十分性と効率性のベストバランスの実現をゴールとし、2022(令和4)年度に目指すベストバランスの水準を、バーゼルⅢ最終化ベースの普通株式等Tier1比率10%台半ば、自己資本ROE7%程度とした。ボトムラインの安定的な成長とビジネスモデル変革の着実な成長を内外に示すため、新たに体質改善(質的変化)を示す指標として「横断・融合領域」とRORA(Return on Risk Asset)を設定。資本蓄積フェーズから資本活用フェーズへと転換するタイミングを捉え、戦略投資や先行投資の形で資本を有効活用し、体質改善を図ることとした。また、業績に応じた株主利益還元策として配当を重視する姿勢を一層明確にし、連結配当性向の目標を現状の30%程度から2022年度をめどに40%程度に引き上げることとした。

〔3〕業務品質の高度化(ビジネスの創出・強化を支える力)

本邦唯一、最大の専業信託グループに対する社会やお客さまからの「期待」に対し、最適な資本配分とともに「品質管理の高度化」に取り組んだ。経営品質においては改めて「データガバナンス」を経営の根幹に影響を与える重要テーマと位置づけ、業務プロセスと一体で改善・高度化を推進した。また事業ポートフォリオ変革と歩調を合わせ、「横断・融合領域」強化に向けて財務・リスク管理等の分野におけるグループベースでの経営管理の高度化を推進した。サービス品質においては、専業信託グループとして、「顧客本位」「顧客満足」を差別化の源泉として強化すべく、フィデューシャリー・デューティーとCS(顧客満足)の組織を一体化し、業務品質の管理能力を高め、リスク文化を含め、営業現場への浸透を図った。

中期経営計画の財務目標

中期経営計画の財務目標

中期経営計画の財務目標

中期経営計画の財務目標
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