- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
グローバル展開――ナイトフランクとの提携
2012(平成24)年11月、三井住友信託銀行は、英国に本社を置きグローバルに総合不動産サービス事業を展開するナイトフランク(Knight Frank LLPおよびKnight Frank Asia Pacific Limited)との間で、相互顧客紹介に関する業務提携契約を締結した。その目的は次の2つであった。
- 日本企業の海外進出の流れが加速すると見込まれる状況下にあって、ナイトフランクの持つ専門性の高い海外不動産コンサルティングサービスを活用し、国内顧客向けの海外不動産関連ニーズへの対応を強化する。
- ナイトフランクの顧客基盤・グローバルネットワークを活用し、対日投資意欲のある海外投資家に対して、当グループの不動産仲介・運用・リサーチ等の多様な不動産サービス機能を用いることにより、日本国内の不動産への投資運用機会の提供をさらに拡大する。
接触可能な投資家は300社に上り、2015年度には海外投資家向けレポートを発行。不動産事業における海外関連収益は2016年度には倍増した。
グローバル投資家に対しては、単なる仲介者ではなく投資マネージャーとしての立場で接する必要があり、対象の増大に伴って、業務の効率化とともに対応力の高度化も求められるようになり、対日投資を検討しているグローバル投資家のニーズをタイムリーに共有化するための事業横断体制の構築が課題となった。