三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019

その他の取り組み

〔1〕情報共有技術「UXP」を活用した信託プラットフォームの構築へ

2019(令和元)年5月、三井住友信託銀行、エルテス *1 、CYBERNETICA(サイバネティカ) *2 、および日本電気の4社は、エストニアの電子政府基盤システム「X-Road」をベースとした技術である「UXP *3 」を活用した、信託プラットフォーム構築の共同検討を開始。技術検証に加え、不動産や相続関連ビジネスにおいて、複数のビジネスの関係者が既存のデータベースに大幅な改修を加えることなくセキュアに情報共有する仕組みなども検討した。

「リスクを解決する社会インフラの創出」をミッションに、リスクに特化したビッグデータ解析技術をもとに、企業を中心としたあらゆる組織がさらされるリスクを解決するためのソリューションを提供している。

最先端のセキュリティ技術を有するエストニア有数のテクノロジー企業。電子政府の基盤となるシステムでのデータベース連携のセキュリティシステムの構築、電子投票ソフトウェアの開発を行うなど、電子政府プロジェクトにおいて優れた実績を有する。

Unified eXchange Platform:サイバネティカが有する情報プラットフォームで、世界的に知られるエストニアの電子政府基盤システム「X-Road」を発展させて開発された技術。分散している既存のデータベースをもとに、最小限の変更を加えることで、複数のシステムにまたがる情報を、必要な時に、必要な人(アクセス権限のある人)だけ、安全に共有することができる技術で、他社・他業態とのセキュアな情報共有に機能を発揮することが期待されている。

〔2〕相続関連事務自動化の取り組み

2019(令和元)年8月、新たなサービス開発の一環として、デジタル技術を活用した戸籍情報の整理から相続人相関図の作成までを自動化する取り組みに着手した。相続発生後、金融機関での名義変更などの手続きには、出生から死亡時までの連続した戸籍謄本等を揃え、法定相続人の確定を行う必要がある。この確定作業に相当な時間を要し、加えて戸籍謄本等が不足している場合は、自身で追加取得しなければならない場合があるなど、お客さまの負担となっている。この取り組みでは、AI等のデジタル技術を活用して戸籍謄本の不足チェックを行い、相続人関係図の作成などの自動化を実現することで、お客さまからの要望が多い相続手続きの負担軽減と期間の短縮化を目指した。2023年4月 には相続人関係図作成システムをリリースし、グループ内で利用を開始した。

〔3〕相続プラットフォームへのブロックチェーン活用

2019(令和元)年8月、相続発生後における名義の変更等の手続き短縮化のため、デジタル技術(ブロックチェーン)を活用した相続プラットフォーム構築の実証実験を開始。必要書類のデジタル化・共有化を通じて相続手続き時間の大幅短縮が可能となるほか、改ざん困難、かつ透明性を確保できるブロックチェーン技術を採用し、遺言執行業務を対象として一連の手続きのデジタル化・迅速化について検証。金融機関が手続きに必要な情報を安心・安全に共有することにより、迅速な処理を実現し、またお客さまの必要に応じて処理の進み具合を確認できるなど、すべての関係者にとって、シンプルかつスピーディな手続きを実現できるプラットフォーム構築を目指した。その後、他の金融機関を含めたビジネスニーズを調査するなかで、プラットフォーム構築による効率化効果が限定的であることがわかったため、構想を再考する方向性となっている。

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