- 第2編
- 第3章 - 新たな社会課題への対応 2020~2023
受託事業の再編
2018(平成30)年度の運用事業分社化に伴い、伝統資産に関する投資判断や売買発注等の運用フロント機能は三井住友トラスト・アセットマネジメントに移管され、受託事業は運用営業と外部委託運用の管理など運用業務、年金関連業務、運用ミドル・バック機能を含めた資産管理業務を推進する事業となった。運用業務においては、当グループの強みであるセミナー営業を通じた運用提案によって既存領域の拡大に努めるとともに、職域の強化にも取り組んだ。なかでも職域においては人材重視の潮流と人生100年時代の従業員ニーズを捉え、成長性の高い資産形成層向けの戦略を中心に展開。年金コンサルティング部に専担部署を新設して機能・役割、コンサルティングエリアを拡大した。
また2020年度には、年金、金融法人、個人という全運用主体のニーズの集約等を目的に、個人、法人アセットマネジメント、受託事業を横断する組織として「資産運用ソリューション推進部」を新設した。同部は年金ノウハウを生かして個人(プライベートバンキング)事業に注力し、運用コンサルティング商品の販売で一定の効果をあげた(事業再編に伴い廃部)。なお、2021年4月には、2022年以降段階的に年金制度改正 *1 が実施されることを受けて、DB・DCそれぞれで持っていた類似機能を統合し、ナレッジを集約し、年金制度コンサルニーズに対応した。
そして2022年4月、受託事業は法人アセットマネジメント事業とともに、「投資家事業」に再編された。その際、資産管理サービスについては、「投資家事業」の事業内事業として「資産管理事業」に集約され、傘下の資産管理専門銀行の統合 *2 を完遂するとともに、運用会社や投資家のさまざまなニーズに応えるべく、国内外グループ一体でのお客さま向けサービスの高度化を推進するとともに、主に有価証券の管理で培った専門性やノウハウを当グループ内の別事業にも展開すべく、資産管理プラットフォームの検討を進めた。
高齢期の就労が拡大するなか、長期化する高齢期の経済基盤の充実などを目的として2020年に年金制度法が改正され、2020年6月にDBの支給開始時期の選択肢を70歳までに拡大、2022年4月には企業型DCとiDeCoの受給開始時期の上限を延長(75歳まで)、5月には企業型DCは70歳未満、iDeCoは65歳未満に加入年齢を引き上げ、10月には企業型DC加入者も原則iDeCoに加入できるように条件を緩和するなど、段階的に要件の緩和が行われた。
JTCホールディングスと日本トラスティ・サービス信託銀行、資産管理サービス信託銀行の3社は、2020年7月、日本トラスティ・サービス信託銀行を存続会社とする合併を行い、商号を「株式会社日本カストディ銀行」とした。

資産管理残高の推移(国内/海外)