三井住友トラストグループ

第1章

信託制度の確立と発展
1922~1974

第3章

金融激動と業界再編
1991~2010

第1編
第3章 - 金融激動と業界再編 1991~2010

住宅ローンの完全自由化

個人ローンは収益力の強化の観点で有効な業務であり、各社が注力していたが、三井信託銀行では、個人財産の総合的な管理業務を充実させるなかで、特に資産家向けのアパート・ビルローンをはじめとする事業者ローンに積極的に取り組み、1993(平成5)年3月には個人ローンにおいて信託銀行で初めて1兆円の大台を突破するなど、最も強みとする事業に成長していた。

しかし1994年になり、ローンを取り巻く環境は大きく変化した。住宅ローンおよび持家ローンでは、1983(昭和58)年の大蔵省通達等により行われてきた金利や商品設計などの規制が1994年7月末をもって廃止され、同年8月以降、完全に自由化されたのである。この自由化は、金利について顧客の選択肢を増やすとともに、商品競争を促して顧客利便の向上を図ることが目的であった。

自由化を機に金融機関の競争はますます激化するが、三井信託銀行はその後も優良物件に厳選してアパート・ビルローンに取り組み、1990年代後半以降も収益の柱として成長していった。

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