- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
グループ再編~運用部門の集約
グローバルな資産運用市場が年々拡大するなか、当グループにおいても資産運用ビジネスをコアかつ成長分野と位置づけ、ビジネス推進を強化していった。その一環として、2017(平成29)年7月、三井住友信託銀行の資産運用機能を分割し、グループ関係会社である三井住友トラスト・アセットマネジメントと統合する基本方針を決定した。
背景には、世界的な低金利や幅広い資産における価格変動性の高まりなど、個人・法人から機関投資家に至るあらゆるお客さまにとって厳しい運用環境の継続があった。運用会社に対して安定的で良質な投資リターンを求める期待は増大しており、主に中長期の投資を通じた将来の資産形成に資する商品提供が、運用会社の重要な社会的使命となっていた。また、運用商品を通じて成長資金を供給し、建設的な対話により企業価値を持続的に向上させることで、インベストメントチェーンの高度化を通じた日本経済成長の実現に貢献するという、もう一つの社会的使命も強く求められた。
こうした期待に応えるため、長年にわたり法人・機関投資家のお客さま向けにサービスを提供し、高いノウハウ・品質を有する三井住友信託銀行の運用機能を分割し、確定拠出年金・ファンドラップ・インデックス投信等を中心に個人のお客さま向けに業容拡大を図ってきた三井住友トラスト・アセットマネジメントに発展的に統合し、経営資源の集約と成長分野への投下を積極的に推進することとした。
当グループ内には、グローバルネットワークを生かした商品開発力に強みを有する日興アセットマネジメント、ほかの金融グループとの連携によって設立したスカイオーシャン・アセットマネジメントやJP投信等がある。当グループは、これら各運用会社が有する特色・強みを最大限に生かした「マルチブティック戦略」を進め、国内外の機関投資家から個人まで幅広いお客さまに最適な資産運用ソリューションの提供に努めた。