三井住友トラストグループ

第1章

信託制度の確立と発展
1922~1974

第3章

金融激動と業界再編
1991~2010

第1編
第3章 - 金融激動と業界再編 1991~2010
Column

企業間連携の形

旧財閥である三井には二木(にもく)会(三井社長会、第二木曜日の開催に由来)、住友には白水会(住友社長会、銅精錬を営んでいた住友家の屋号「泉屋」の「泉」を分解した名称)など、いまもグループの連携を深める多くの会があり、それぞれの形で文化を紡いでいる。

戦後発足した中央信託銀行にはそうした連携はなかったが、東海銀行の信託部門をルーツの一つとする縁から、東海銀行が千代田生命保険、千代田火災海上保険、トーメンと結成していた「さつき会」(社長会)に1970(昭和45)年から参加。データ通信などの研究会を共同開催したり、社内報で共同企画としてそれぞれの社風を紹介したりと長い間、全社的な企業間交流を行っていた。ちなみに、各社の習慣を紹介する記事によると、中央信託では、毎日勘定が一致したときベル(放送)が鳴らされていたという。また金庫の内扉を勢いよく開けたために反動で閉まって閉じ込められた、などの失敗談等もあり、グループ各社の一般社員が楽しく交流していた様子がうかがえる。

しかし、その後2000(平成12)年に千代田生命が経営破綻し、中央信託銀行は中央三井信託銀行を経て三井住友信託銀行、東海銀行は三菱UFJ銀行、千代田火災はあいおいニッセイ同和損害保険、トーメンは豊田通商となった。構成5社の変転に伴いさつき会も消失している。

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