三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016

国内の協業・協働戦略

2014(平成26)年度には、国内においても新たなチャネル・ネットワークの拡大に向けて提携戦略を加速し、相互補完機能の見込める外部金融機関との提携を進めた。提携先の中心は地域金融機関で、当グループはメガバンクとの競争力向上、手数料ビジネスの拡大を目指し、地域金融機関にとっては、当グループの資産管理インフラやノウハウ、不動産関連機能などによる収益の拡大、さらには地域経済の復興・発展にも資するものであった。主な実績は以下のとおりである。

〔1〕三井住友トラストクラブ発足

2015(平成27)年12月、三井住友信託銀行がシティカードジャパン株式会社 *1 の全株式の取得を完了し、三井住友トラストクラブ株式会社が発足。同社は三井住友信託銀行の完全子会社として新たなスタートを切った。また、三井住友トラストクラブは、日本最初のクレジットカードとしての伝統を有する「ダイナースクラブ」カードの日本における唯一の発行会社となった。

日本におけるクレジットカードの取扱高は年々増加傾向にあり、また現金利用による支払いからカード等の支払いにシフトしつつあるなど、決済手法の高度化も進んでいた。こうした環境のもと、三井住友トラストクラブが三井住友信託銀行グループの個人・法人のお客さまに「ダイナースクラブ」カードなどの上質で付加価値の高いカードサービスを提供するとともに、三井住友トラストクラブのお客さまには、資産運用コンサルティングや不動産、相続・贈与といった三井住友信託銀行グループならではの幅広い商品・サービスを活用できる機会を提供することとなった。

三井住友トラストクラブは、「ダイナースクラブ」に加え、「ビザ」「マスター」の計3つのブランドを通して、当グループの一員として商品・サービスの維持・向上に努めた。なお、2016年5月、三井住友信託銀行と三井住友トラストクラブは、「ダイナースクラブ」ブランドの提携カード「三井住友信託ダイナースクラブカード」の取り扱いを開始した。

事業所は東京、大阪、沖縄の3拠点、従業員数約800名(2015年11月末時点)、カード会員契約数約74万件(2015年3月末時点)

三井住友信託ダイナースクラブカード

三井住友信託ダイナースクラブカード

〔2〕横浜銀行との業務提携

2014(平成26)年10月、三井住友信託銀行と横浜銀行は、新しい資産運用会社の共同設立を含む、資産運用および個人向け投資商品の販売業務における業務提携を締結した。横浜銀行グループは、神奈川県・東京西南部を中心に店舗ネットワークを展開している。

当グループの狙いは地銀業界において圧倒的な販売力を誇る横浜銀行のネットワークを生かし、リテール事業との連携によって地銀向け投信販売支援業務を新たな収益源として強化することであった。一方、横浜銀行は、合弁で設立する新会社を地銀再編の呼び水とすることや、将来的には投資一任サービスの運用・販売を内製することも視野に入れていた。当グループは、提携先の拡大を検討しつつ、共同で設立する資産運用会社に人材やノウハウを提供し、商品企画、販売戦略、販売スタイルなどについてサポートすることとした。

〔3〕東京TYフィナンシャルグループとの業務・資本提携

2016(平成28)年6月、三井住友信託銀行は、東京TYフィナンシャルグループ(現在の東京きらぼしフィナンシャルグループ)と業務・資本提携契約を締結した。東京TYフィナンシャルグループは、東京に本店を置く地方銀行である東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京を傘下に持つ地域金融機関グループで、東京都・神奈川県を中心とする東京圏に地域金融機関として最大規模の店舗網を有している。

2006年3月、住友信託銀行は、八千代銀行と業務・資本提携契約を締結し、事業基盤・顧客基盤が重複しない両行の間で、相互補完関係のもと、東京圏のお客さまに遺言信託・遺産整理、投資信託等の信託銀行ならではの商品・サービスを提供し、両行の業務提携の成果を着実にあげてきた。八千代銀行に加えて、東京都民銀行との間でも業務提携を行うことで、互いの強みを生かして高度な金融サービスの提供を行い、経営基盤の一層の拡充と収益力の強化を実現できると判断、業務・資本提携の枠組みを新たに東京TYフィナンシャルグループおよび東京都民銀行に拡大することとした。また、業務・資本提携関係の礎として、三井住友信託銀行は、東京TYフィナンシャルグループが第三者割当方式により発行する第1回第一種優先株式7万5,000株を取得した。

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