三井住友トラストグループ

第1章

信託制度の確立と発展
1922~1974

第3章

金融激動と業界再編
1991~2010

第1編
第2章 - 国際化・自由化と社会の多様化 1975~1990

ファンド・トラストの開発

1981(昭和56)年10月、住友信託銀行が「ファンド・トラスト」(投資一任運用商品、単独運用指定金外信託)を発表し、銀行や証券などの関連業界に大きな反響を呼んだ。

ファンド・トラストは、顧客から預かった資金(1億円以上)を、信託銀行の裁量により主として有価証券で運用する商品で、投資家の金利選好の高まりや資産運用方法の多様化に応えるために、豊富な有価証券運用のノウハウと財産管理機能を活用し、住友信託銀行が独自に開発した。開発にあたっては、顧客の既保有の有価証券との簿価分離が課題となったが、税当局との度重なる折衝の結果、簿価分離を認める通達が発出され、解消できた。

ファンド・トラストは時代の要請にマッチした実績配当型商品として人気を呼んで主要商品の一つとなり、この名称が一般化した。顧客にとっては、①金額、期間、投資方針等をニーズに応じてオーダーメイドできる、②有価証券投資に伴うさまざまな事務負担から解放される、というメリットもあった。

一方、三井信託銀行はこれに続いて同年12月に「マネーファンドトラスト」を発売し、その後、投資顧問業務に注力する。

さらに特定金銭信託(=非裁量型金銭信託、略称トッキン)についても同年に簿価分離が認められ、ファンド・トラストとともに、「財テク」のニーズに対応する商品として1990年代に入ってバブルが崩壊するまで、受託残高を大きく伸ばしていった。

「ファンド・トラスト」パンフレット

「ファンド・トラスト」パンフレット

特定金銭信託、ファンド・トラストの急伸に伴う金銭信託・金外信託の拡大

特定金銭信託、ファンド・トラストの急伸に伴う金銭信託・金外信託の拡大

特定金銭信託、ファンド・トラストの急伸に伴う金銭信託・金外信託の拡大

特定金銭信託、ファンド・トラストの急伸に伴う金銭信託・金外信託の拡大
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