- 第2編
- 第2章 - The Trust Bankへの進化――「第2の創業」 2017~2019
- 第3節
- トータルソリューションの追求
1 個人トータルソリューション事業
「ベストパートナー」を目指して
低金利環境が長く続くなか、2016(平成28)年にマイナス金利政策が導入されたことで、収益の最大化を図るには、ストック収益の積み上げを図りつつ、手数料ビジネスによるフロー収益の伸長を目指す必要があるという流れが決定的になった。一方、少子高齢化・人口減少の急速な進行に伴い、社会では将来の社会保障に対する不安感が強まり、当グループの顧客基盤にも減少圧力がかかった。
お客さまにとって「人生100年時代」における退職後の人生に備え、早い時期から資産形成を開始することが重要になったことは、当グループにとって、基盤拡大のチャンスでもあった。2017年度からの計画において、当グループは、個人トータルソリューション事業の持続的な成長に向け、重要な取引基盤である退職前後層、シニア層に加え、住宅ローン、世代間資産移転サポート信託商品などによる資産形成層との取引拡大を志向。「世代循環・世代連関型のトータルソリューション営業モデル」への変革を図ることで、盤石で安定的な収益基盤の構築を目指した。またマクロ環境、社会構造ともに変化する状況のもと、専業信託銀行ならではの高度な専門性と多彩な商品・サービスを駆使して、個人のライフサイクルに応じて変化する資産・負債の特性に着目。ニーズを踏まえた総合的なコンサルティング、ソリューションを提供した。
〈資産形成層のお客さまの期待に応える取り組み〉
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住宅ローンのサービス向上
2017年度には対話式説明動画視聴サービス「どこでもローンガイド」を新たに導入するなど、契約者の利便性向上に努めるとともに、住宅ローンをきっかけとした資産見直しに関するコンサルティングにも注力 -
積立投資の商品ラインアップ整備
「投資対象の分かりやすさ」「値動きの安定性」「品質」などを踏まえた投資信託ラインアップを用意し、長期の資産形成に資する商品を提供 -
平準払い保険戦略
「ふやす」「そなえる」「のこす」などのニーズに応える平準払い保険のラインアップの充実に注力。その一環としてBNPパリバグループ傘下のBNPパリバ・カーディフと協業し、信託銀行ならではの保険ビジネスを確立