- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
ステップ3の資産
2014(平成26)年11月で勘定系システムの統合、事務運営ルールの整備はいったん完了し、以後は混乱回避のためシステム統合の完了を待って進めることになっていた店舗再編と商品の整理、戦力の再配置という次の段階に進んだ。
リテール分野では、まず商品台帳を整備し、ニーズの変化を踏まえて「お客さま-商品-戦力-店舗」(①どのようなお客さまに、②どのような商品を、③戦力と、④店舗をどのように活用して提供するか)という流れに鑑み、整理を行った。
2014年度は、単にステップ3を完了したという意味を超え、全社を挙げて完遂に至る試行錯誤を経て、新たなステージへと向かう節目の年となった。業務運営の高度化を志向するなかで「循環型取引(世代循環・取引循環)による価値の共創」という考え方が現れたのもこの時期であった。
システム統合コストは、事故回避のためのテストやプロジェクト管理工数の増加に伴い当初計画より増加したが *1 、ステップ3の完遂で得た経験は、その後のシステム開発における重要な資産となり、システムの高度化、サービス品質の向上に生かされている。
2010年8月公表のシステム統合費用は630億円であったがその時点で対応が未定であった200億円相当のシステムコストがあった。最終的な統合コストは956億円で、コスト増の主な要因は、業務要件の拡大とテスト工数の増加であった。

ステップ3の概念図(勘定系)