三井住友トラストグループ

第1章

専業信託銀行グループとしての挑戦
2011~2016

第4節 グループ総合力の発揮

第2章

The Trust Bankへの進化――
「第2の創業」 2017~2019

第2節 ビジネスモデルとガバナンスの変革

第3節 トータルソリューションの追求

第3章

新たな社会課題への対応
2020~2023

第2節 社会的価値創出と経済的価値創出の両立

第3節 新たな付加価値の創造

第4節 Well-beingの好循環を目指して

第2編
第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016

D-SIBs指定

2008(平成20)年秋のリーマン・ショックを機に発生した世界的な金融危機において、巨大な金融機関の倒産が他の金融機関に伝播することを通じ、金融システム全体が崩壊する可能性が指摘された。結果的に、政府が巨大な金融機関を救済するために多額の公的資金を投入したが、このように救済せざるを得ないことを、「大きすぎて潰せない(Too Big To Fail)」問題といった。

こうした事態を防ぐために、国際金融規制強化の流れが加速、バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委員会)が2010年12月に公表したバーゼルⅢテキスト(最終規則文書)「バーゼルⅢ:より強靭な銀行および銀行システムのための世界的な規制の枠組み」は、国際的に活動する銀行を対象に、従来の自己資本規制(バーゼルⅡ)対比、資本の質・量の両面の強化を図るものだった。さらに、バーゼル委員会は、2011年11月、「グローバルにシステム上重要な銀行に対する評価手法と追加的な損失吸収力の要件に関する規則文書」を公表し、「グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs:Global Systemically Important Banks)」に対し、そのシステム上の重要性に応じて自己資本比率規制のさらなる上乗せを求めることとした。金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)も同月、日本の3メガバンク *1 を含む29の金融機関をG-SIBsとして選定し、その後、適宜、入れ替えを実施している。

なお、当グループは2013年3月以降のバーゼルⅢ段階的適用を踏まえ、質・量ともに充実した自己資本の確保を目指し、規制を上回る水準を安定的に確保した(バーゼルⅢについては第3章第1節2「バーゼルⅢ最終化合意」参照)。

一方、金融庁は2015年12月、国際合意に沿って、自己資本比率規制に関する告示に基づき、G-SIBsとともに、「国内のシステム上重要な銀行(D-SIBs:Domestic Systemically Important Banks) *2 」を指定・公表した。金融機関ごとにシステム上の重要性を評価し、リスクアセット対比で一定水準の追加的資本の積み立てを求める金融機関である。その1社に当社が指定された。なお、D-SIBsに対して求められる一定水準の追加的資本の積み立ては、G-SIBsとは異なり、各国当局の裁量に委ねられた。

三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ

G-SIBsに指定された3社に加え、当社、農林中央金庫、大和証券グループ本社、野村ホールディングスの計7社

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